1 改正の概要
項 目 | 内 容 |
適用期限 | 令和7年入居分まで4年間延長 |
借入限度額 |
①消費税率引き上げに伴う反動減対策としての特定取得等の上乗せ措置は終了 |
控除率 | 1%から0.7%に引下げ |
控除期間 | ①新築住宅及び買取再販住宅(注1)については13年 (令和6年・7年入居の認定住宅等(注2)については10年) ②既存住宅については10年 (注1)買取再販住宅とは、既存住宅を宅地建物取引業者が一定のリフォームにより良質化した上で販売する住宅のことを指します。 (注2)認定住宅等は、認定長期優良住宅・認定低炭素住宅、特定エネルギー消費性能向上住宅、エネルギー消費性能向上住宅のことを指します。 |
所得要件 | 適用対象者の所得要件を合計所得金額3,000万円以下から2,000万円以下に引き下げ |
床面積要件 | 令和5年以前に建築確認を受けた新築住宅については、合計所得金額1,000万円以下の者に限り、40㎡以上に緩和 |
その他 | ①令和6年以降に建築確認を受ける住宅(登記簿上の建築日付が同年6月30日以前のものを除きます)又は建築確認を受けない住宅で登記簿上の建築日付が同年7月1日以降のもののうち、一定の省エネ基準を満たさない新築又は建築後使用されたことのない住宅は住宅ローン控除の対象外となります。 ②既存住宅における築年数要件(耐火住宅25年、非耐火住宅20年)は廃止され、「新耐震基準に適合している住宅」又は「昭和57年以降に建築された住宅」とされました。 |
2 改正後の住宅ローン控除
入居年 | 省エネ住宅 | 令和4年・5年 | 令和6年・7年 | |
新築住宅 買取再販 |
借入限度額 | 長期優良低炭素 | 5,000万円 | 4,500万円 |
特定省エネ向上 | 4,500万円 | 3,500万円 | ||
エネ性能向上 | 4,000万円 | 3,000万円 | ||
その他の住宅 | 3,000万円 | 対象外(令和5年末までの新築の建築確認の場合は2,000万円(10年)) | ||
控除期間 | 13年 | |||
既存住宅 | 借入限度額 | 長期優良低炭素 | 3,000万円 |
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特定省エネ向上 | ||||
エネ性能向上 | ||||
その他の住宅 | 2,000万円 | |||
控除期間 | 10年 | |||
控除率 | 一律0.7% |
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所得要件 | 合計所得2,000万円以下 |
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床面積要件 | 50㎡以上(令和5年以前に建築確認を受けた新築住宅については合計所得金額1,000万円以下の者に限り、40㎡以上に緩和) | |||
所得税から控除しきれなかった額 | 所得税の課税総所得金額等の5%(最高9.75万円)を控除限度額として個人住民税から控除 |
3 住宅ローン控除の確定申告手続等の見直し
(1)令和5年1月1日以後に居住の用に供する家屋について、住宅ローン控除の適用を受けようとする個人は、住宅借入金等に係る一定の債権者(銀行等)に対して、その個人の氏名及び住所、個人番号その他の一定の申請事項を記載した申請書(適用申請書)の提出(電磁的方法による提供を含みます)をしなければなりません。
(2)適用申請書の提出を受けた債権者(銀行等)は、その適用申請書の提出を受けた日の属する年以後10年内の各年の10月31日(その適用申請書の提出を受けた日の属する年については、その翌年1月31日)までに、申請事項及びその適用申請書の提出をした個人のその年の12月31日における住宅借入金等の金額等を記載した調書を作成し、その債権者の本店所在地の所轄税務署長に提出しなければなりません。
この場合において、その債権者は、その適用申請書につき帳簿を備え、適用申請書の提出をした個人の各人別に、申請事項を記載し、又は記録しなければなりません。
(3)住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除証明書の記載事項に、住宅借入金等の年末残高が追加されました。
(4)令和5年1月1日以後に居住の用に供する家屋に係る住宅ローン控除の適用を受けようとする個人は、住宅取得資金に係る借入金の年末残高証明書及び新築の工事の請負契約書の写し等について、確定申告書への添付が不要とされます。
この場合において、税務署長は確定申告期限等から5年間、その請負契約書の写し等の提示又は提出を求めることができ、その適用を受ける個人はその提示又は提出をしなければなりません。
(5)給与所得者で年末調整の際に、令和5年1月1日以後に居住の用に供する家屋に係る住宅ローン控除の適用を受けようとするものは、住宅取得資金に係る借入金の年末残高証明書については、給与取得者の住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除申告書への添付が不要とされました。