法人税

1⃣ 中小企業に対する軽減税率の延長

中小企業者等に係る法人税の税率の引き下げにより、キャッシュフローの改善と財務基盤の安定化等を通じて、企業の活性化や競争力の維持・向上を引き続き図ることが必要である等の観点から、軽減税率の適用期限が2年延長されることになりました。
【改正の内容】
令和3年3月31日までに開始する事業年度までとされていた「中小企業等に対する法人税の軽減税率(「19%」を「15%」とする軽減措置)」を2年延長し、その適用期限が「令和5年3月31日までに開始する事業年度」とされることになりました。

2⃣ 中小企業の積極的な設備投資等に対する支援措置の整備

地域経済の中核を担う中小企業を取り巻く状況は、ますます厳しさを増しており、ポストコロナを見据えて、生産性の向上や経営基盤の強化を支援する必要がある等の観点から、中小企業投資促進税制(措法42の6)、商業・サービス業・農林水産業活性化税制(措法42の12の3)及び中小企業経営強化税制(措法42の12の4)について、次のような整備が行われることになりました。
【現行制度の概要図】

(経済産業省「令和3年度税制改正に関する経済産業省要望(概要)」を一部編集)

【改正の内容】
上記の各制度について、次のような改正が行われることになりました。
(1)中小企業投資促進税制
本制度について、次のような見直しを行った上で、適用期限が令和5年3月31日まで2年延長されることになりました。
① 対象となる指定事業に次の事業を加える
 イ 不動産業
 ロ 物品賃貸業
 ハ 料亭、バー、キャバレー、ナイトクラブその他これらに類する事業(生活衛生同業組合の組合員が行うものに限ります。)
② 対象となる法人に商店街振興組合を加える
③ 対象資産から匿名組合契約等の目的である事業の用に供するものを除外する。

(2)商業・サービス業・農林水産業活性化税制
令和3年3月31日の適用期限の到来を持って廃止されることになりました。(対象事業等を上記(1)及び下記(3)の税制に統合する。)

(3)中小企業経営強化税制
関係法令の改正を前提に、特定経営力向上設備等の対象に、計画終了年度に修正ROA又は有形固定資産回転率が一定以上上昇する経営力向上計画(経営資源集約化措置(仮称)が記載されたものに限ります。)を実施するために必要不可欠な設備を加えた上で、適用期限が令和5年3月31日まで2年延長されることになりました。

3⃣ 中小企業の経営資源の集約化に資する税制の創設

この制度は、中小企業経営強化法の改正を前提に、青色申告法人である中小企業者のうち同法の改正法の施行日から令和6年3月31日までの間に中小企業等経営強化法の経営力向上計画(経営資源集約化措置(仮称)が記載されたものに限ります。)の認定を受けた者が、その認定に係る経営力向上計画に従って他の法人の株式等の取得をし、かつ、これをその取得日を含む事業年度終了の日まで引き続き有している場合において、その株式等の価格の低落による損失に備えるために、その株式等の取得価額の70%以下の金額を中小企業事業再編投資損失準備金として積み立てたときは、その積み立てた金額は、その事業年度において損金算入できることとするというものです。

この準備金は、その株式等の全部又は一部を有しなくなった場合、その株式等の帳簿価額を減額した場合等において取り崩すほか、その積み立てた事業年度終了の日の翌日から5年を経過した日を含む事業年度から5年間でその経過した準備金残高の均等額を取り崩して、益金算入することとされています。

1⃣ 賃上げ・投資促進税制、所得拡大促進税制

(1)賃上げ・投資促進税制

大企業の「賃上げ・投資促進税制」の賃金要件については、現行、「継続雇用者給与等支給額」等を用いて判定していますが、改正後は、「新規雇用者給与等支給額」等を用いて判定することになります。既に雇用している従業員らの給与等の増加のみでなく、新たに雇用する従業員らの給与等の増加も必要です。また、設備投資要件が廃止されることになっています。

●「賃上げ・投資促進税制」の改正後の適用要件等
【賃金要件】
 雇用者給与等支給額 > 比較雇用者給与等支給額
(新規雇用者給与等支給額ー新規雇用者比較給与等支給額)/新規雇用者比較給与等支給額 ≧ 2%

【設備投資要件】
 廃止

【税額控除限度額】
 控除対象新規雇用者給与等支給額 ✕ 税率控除率15%

【控除率の上乗せ】
(教育訓練費ー比較教育訓練費※)/比較教育訓練費 ≧ 20%
 ➡税額控除率を5%上乗せ(合計20%)
 ※前期の教育訓練費

【控除上限】
 法人税額の20%

(2)所得拡大促進税制

中小企業の「所得拡大促進税制」については、”継続雇用者(当期・前期の各月全てに給与等の支給を受けた一定の国内雇用者)の抽出”が不要となり、雇用者給与等支給額の比較雇用者給与等支給額に対する増加割合が1.5%以上で適用可能となります。

●「所得拡大促進税制」の改正後の適用要件等
【賃金要件】
(雇用者給与等支給額ー比較雇用者給与等支給額)/比較雇用者給与等支給額 ≧ 1.5%

【税額控除限度額】
(雇用者給与等支給額ー比較雇用者給与等支給額)✕税額控除率15%

【控除率の上乗せ】
「賃金要件」の増加割合が2.5%以上であり、かつ、次のいずれかを満たす場合
①(教育訓練費ー比較教育訓練費※)/比較教育訓練費 ≧ 10%
 ※前期の教育訓練費
②経営向上計画に記載された経営力向上が確実に行われたことを証明
 ➡税額控除率を10%上乗せ(合計25%)

【控除条件】
 法人税額の20%

2⃣ 大企業に係る税額控除制度の適用除外措置

適用期限が3年延長(令和6年3月31日まで)された上で、同措置の対象に、「カーボンニュートラルに向けた投資促進税制」と「デジタルトランスフォーメーション投資促進税制」が追加されます。
また、同措置の要件の一つである「継続雇用者給与等支給額>継続雇用者比較給与等支給額」の判定において、雇用調整助成金等を控除しないこととされます。
「賃上げ・投資促進税制」の適用要件の判定では、継続雇用者の抽出が不要となるものの、同措置との関係上、継続雇用者の抽出が必要となる場合もあります。

3⃣ 中小企業関連税制(所得拡大促進税制を除く)

(1)中小企業者等の軽減税率の特例

適用期限が2年延長されます(令和5年3月31日まで)。

(2)中小企業投資促進税制

適用期限が2年延長(令和5年3月31日まで)された上で、対象となる指定事業が追加等されます。

コロナ禍で資金繰り困難が続く期間の支援は対象

災害などで物理的に被災した取引先に対し、復旧支援のために相当の期間内に売掛金等を免除などしたことで生じた損失は、寄付金等に該当せず全額損金算入が可能です(法基通9-4-6の2等)。

同様に、コロナ禍で売上の減少等に伴い資金繰りが困難となった取引先への売掛金等の免除などの支援についても、寄付金等に該当せず全額損金算入が可能です(法基通9-4-6の2(注)2等)。

このため、税務調査等で当時支援が必要な状況であったことを説明できるように、資金繰りが困難となったことを示す取引先の直近の決算書や、売上状況を示す書類などは保管しておく必要があります。

連結納税制度(現行制度)グループ通算製度(新制度)
適用法人内国法人である親法人と,その親法人による完全支配関係にあるすべての子法人(外国法人等を除く)適用法人は,青色申告の承認を前提とする点を除き,基本的に連結納税制度と同様とする。
納税主体・親法人が納税義務者として法人税の申告を行う。
・各子法人に連帯納付責任がある。
・親法人及び各子法人が法人税の申告を行う。
・親法人及び各子法人には,通算グループ内の他の法人の法人税について連帯納付責任がある。
申告方法一体申告方式個別申告方式
事業年度税務上の事業年度は,親法人の事業年度に統一する。・税務上の事業年度は,連結納税制度と同様に,親法人の事業年度に合わせた事業年度とする。
・開始,加入,離脱,のみなし事業年度について,次の見直しを行うほかは,連結納税制度と同様とする。
①事業年度の途中で完全支配関係を有することとなった場合の加入時期の特例について,翌会計期間の開始日に加入したものとしてみなし事業年度を設定できる措置を加える。
②離脱法人の離脱日に開始する事業年度終了の日を親法人の事業年度終了の日とする措置を廃止する。
損益通算及び欠損金の通算可能(合算計算)可能(プロラタ計算)
開始・加入に伴う時価評価と繰越欠損金の切り捨て・親法人では時価評価は行われず,開始前の繰越欠損金は切り捨てられない。
・子法人は特定連結子法人に該当する場合を除いて,時価評価が必要となり,開始・加入前の繰越欠損金が切り捨てられる。
・開始・加入に伴う時価評価と繰越欠損金の取り扱いについて,組織再編税制と同様の要件と利用制限を課す取り扱いとする(時価評価・繰越欠損金の切り捨ての対象は縮小する)。
・親法人も制限対象とする(但し,限定的)。
SRLYルール子法人の開始・加入前の繰越欠損金(特定連結欠損金)にはSRLYルールが適用されるが,親法人の開始前の繰越欠損金(非特定連結欠損金)にはSRLYルールが適用されない。親法人及び子法人の開始・加入前の繰越欠損金(特定欠損金)にSRLYルールを適用する。
※SRLYルールとは,制度に持ち込んだ開始・加入前の繰越欠損金を自己の所得を限度にしか使用させない措置をいう。
投資簿価修正適用。適用。
但し,次の制度に改組する。
①通算グループ内の子法人の株式の評価損益及び通算グループ内の他の法人に対する譲渡損益を計上しない。
②通算グループからの離脱法人の株式の離脱直前の帳簿価格を離脱法人の簿価純資産価格に相当する金額とする。
③グループ通算制度の開始・加入をする子法人で親法人との間に完全支配関係の継続が見込まれないものの株式について,株主において時価評価により評価損益を計上する。
(注)開始・加入後損益通算をせずに2か月以内に通算グループから離脱する法人については,上記①から③までを適用しない。
離脱・離脱法人は,5年間再加入を認めない。
・離脱法人はその資産を帳簿価額のまま持ち出すことができる。
・連結納税制度と同様に,通算グループから離脱した法人は,5年間再加入を認めない。
・通算グループから離脱した法人が主要な事業を継続することが見込まれていない場合等には,その有する資産については,直前業年度において,時価評価により評価損益の計上を行う。
個別制度受取配当金の益金不算入,寄付金の損金不算入,外国税額控除及び研究開発税制所得税額控除,留保金課税等はグループ調整計算を行う。・外国税額控除及び研究開発税制については,グループ全体で税額控除額を計算する(グループ調整計算を存続する)。
・受取配当金の益金不算入はグループ調整計算となるが,計算方法は簡素化される。
・寄附金の損金不算入,所得税額控除,留保金課税などほかの個別制度については,個別計算を原則とする。
中小法人の判定親法人の資本金の額により連結グループ内の全ての法人の判定を行う。通算グループ内のいずれかの法人が中小法人に該当しない場合,通算グループ内の全ての法人が中小法人に該当しないこととする。
税率親法人の適用税率による。中小法人の軽減税率の適用対象は連結所得金額のうち年800万円までとする。通算グループ内の各法人の適用税率による。なお,中小法人の軽減税率の適用対象所得金額は,年800万円を所得法人の所得の金額の比で配分した金額とする。
電子申告・親法人が資本金1億円超の場合,連結グループを一体として法人税の電子申告義務を課す。
・電子申告の場合,親法人が個別帰属額届出書を一括提出することができる。
・グループ通算制度の適用法人には法人税の電子申告義務を課す。
・親法人の電子署名により子法人の申告及び申請,届出等を行うことができることとするほか,ダイレクト納付についても所要の措置を講ずる。
地方税・単体申告となる。
・住民税独自の繰越欠損金が生じる。
現行の基本的な枠組みを維持しつつ,国税の見直しに併せて,企業グループ内の法人の損益通算の影響が及ばないようにする等の所要の措置を講じる。
包括的租税回避防止規定包括的な租税回避防止規定(法法132の3)がある。連結納税制度と同様に,包括的な租税回避防止規定(法法132の3)を設ける。
修正・更正の取り扱い(税務調査)グループ内の1法人で修正・更正が生じた場合,企業グループ内の他の法人の所得金額及び法人税額の計算に反映させる仕組み。修正・更正が生じた場合,原則として,損益通算できる損失等の額を当初申告額に固定することにより,通算グループ内の他の法人の所得金額及び法人税額の計算に反映させない(遮断する)仕組みとする。

〇 イノベーション促進のための研究開発税制の見直し

・オープンイノベーション型について、大企業や研究開発型ベンチャーに対する一定の委託研究等を対象に追加するとともに、控除上限を法人税額の10%(現行5%)に引き上げます。
(※一定の研究開発型ベンチャー企業との共同研究・委託研究に係る税額控除率については、25%です。)

・総額型について、増加インセンティブの強化の観点から控除率を見直すとともに、研究開発を行う一定のベンチャー企業の控除上限を法人税額の40%(現行25%)に引き上げます。

・高い水準の研究開発投資を行っている企業について、総額型の控除率を割増しする措置を講じた上で、高水準型を総額型に統合します。

 

〇 中堅・中小企業による設備投資等の支援

・中小企業者等の法人税の軽減税率の特例及び中小企業向け投資促進税制の延長等を行います。

・地域未来投資促進税制について、高い付加価値創出に係る要件を満たす場合に特別償却率を50%(現行40%)、税額控除率を5%(現行4%)に引き上げる等の見直しを行います。

・中小企業の事業活動に災害が与える影響を踏まえて事前防災を促進する観点から、事業継続力強化計画(仮称)に基づく防災・減災設備への投資に係る特別償却制度を創設します。

①軽減税率の適用
年800万円以下の所得について、15%の軽減税率を適用(法法66②、措法42の3の2)

②特定同族会社の特別税率の不適用
一定の同族会社が一定額以上の内部留保をした場合に課される特別課税(留保金課税)の不適用(法法67)

③貸倒引当金の損金算入
その法人の業種に関わらず、繰入限度額に達するまでの金額を損金算入(法法52、措法57の9)

④交際費等の損金不算入制度における定額控除制度
年800万円以下の交際費等は全額損金算入(措法61の4)

⑤欠損金の繰越控除制度の特例
繰越青色欠損金を、当期の所得を限度として損金算入(法法57①、⑪一)

⑥欠損金の繰戻還付制度の適用
前期に所得および法人税額の納付が発生し、当期に欠損が発生した場合、前期に納付した法人税額のうち一定額を還付(法法80①、措法66の13)

平成29年度税制改正

法人設立届出書、収益事業開始届出書等について、登記事項証明書の添付が不要とされました。

平成29年度税制改正

法人税の納税地の異動の届出について、
異動後の納税地の所轄税務署長への届出が不要とされました。

また、連結子法人の本店等所在地の異動の届出について、
異動後の本店等所在地の所轄税務署長への提出が不要とされました。

役員給与は,定期同額給与、事前確定届出給与、利益連動給与、仮装隠ぺい給与及びこれ以外の給与の区分に応じて下記の通り取扱が規定されています。

 

(1)定期同額給与の範囲の拡充

平成29年4月1日以後支給される税及び社会保険料の源泉徴収等の後の金額が同額である定期給与が追加されています。

(手取りが同額)

 

(2)業績連動給与の見直し

算定指標の範囲及び業績連動指標の株式の範囲の拡充等が行われました。

①算定指標に株価等を追加

②複数年度の指標を用いることを可能

③株式及びストックオプションの確定数を限度とするものを追加

等々

 

(3)事前確定届出給与の見直し

所定の時期に確定した数の株式及びストックオプションを交付する給与が追加されました。

平成 26年4月1日から平成30年3月31日までに開始する各事業年度において支出する交際費等の内、接待飲食費の額の100分の50相当額を超える部分の金額を損金の額に算入されません。

損金不算入額は,下記の通りです。

(1)資本金1億円超の法人

支出交際費等の額ー接待飲食費の合計額×50%

(2)資本金1億円以下の法人

いずれか少ない金額

①支出交際費等の額ー接待飲食費の合計額×50%

②支出交際費等の額ー定額控除限度額(年800万円)

※1一定の書類の保管要件として1名当たり5,000円以下の飲食費は支出交際費等に含められません。

青色申告法人が雇用者数を一定以上増加させる等の要件を満たした場合、その増加人数1人につき40万円の税額控除を受ける制度です。

(1)対象法人

青色申告書を提出する法人で適用年度及びその前年度に法人都合による離職者がいないもの
但し、風俗営業等の業種は除かれます。

(2)適用期間と税制措置

事業年度開始日             税額控除対象額

平成28.3.31まで              基準雇用者数(※1)×40万円

平成28.4.1~平成30.3.31まで     特定地域基準雇用者数(2,3)×40万円

 

※1 基準雇用者数

適用年度(H29.3期)終了の日における雇用者数から当該適用年度(H29.3期)開始の日の前日における雇用者(高年齢雇用者を除く)の数を減算した数

※2 特定地域基準雇用者数

適用年度(H29.3期)開始の日において、地域雇用開発促進法7条に規定する同意雇用開発促進地域内に所在(京都府:京田辺市、木津川市、井手町等南部)する法人の事業所において、適用年度に新たに雇用された次の雇用者で、適用年度終了の日に於いて事業所に勤務する者の数

①有期労働契約以外の労働契約を締結している者
②短時間労働者でないこと

※3 税額控除の対象とされるのは,特定地域基準雇用者数と基準雇用者数とのいずれか少ない数となります。

※4 適応年度終了後2ヶ月以内にハローワークで達成状況の確認を受けた雇用促進計画の写しを添付する必要があります。

※5 平成28年4月1日から平成30年3月31日までに開始する事業年度は、雇用促進税制の適用を受ける場合においても所得拡大促進税制の適用を受けることができます。

(1)国内雇用者の範囲

国内雇用者は、法人の使用人のうち法人の国内事業所に勤務する雇用者(法人の国内事業所にて賃金台帳に記載された者)で、雇用保険一般被保険者でないものも含みます。

但し、法人の役員の特殊関係者や使用人兼務役員は,使用人から除きます。なお、役員の特殊関係者とは次の者です。

・役員の親族
・役員と婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあるもの
・上記以外の者で役員から生計の支援を受けているもの
・上記の者と生計を一にするこれらの者の親族

 

(2)給与等の支給額

国内雇用者に支給する俸給、給料、賃金、歳費及び賞与並びにこれらの性質を有する給与の額で,適用事業年度に損金の額に算入される金額となります。なお、決算賞与については未払計上が認められるものを含みます。但し、出向者に係る給与負担金の受取額等はマイナスします。

 

(3)継続雇用者

適用年度(H29.3期)及び前事業年度(H28.3期)に給与等支給を受けた国内雇用者

 

(4)継続雇用者給与等支給額

上記(2)の給与のうち、雇用保険法の「一般被保険者」に対する給与に限ります。但し、継続雇用制度対象者に支給する者は除きます。

 

(5)継続雇用者数

適用年度(H9.3期)に含まれる各月毎の継続雇用者給与等支給額にかかる継続雇用者の数を合計した数となります。

 

(6)設立事業年度の場合

基準事業年度が存在しないため、基準雇用者給与等支給額は最も古い事業年度の給与等支給額の70%相当額となります。従って、設立事業年度では自動的に要件を満たすことになります。

個人の所得水準を底上げする観点から、基準年度と比較して一定以上、給与等支給額を増加させた場合、当該支給増加額の10%を税額控除できる制度です。但し、法人税額の10%(中小企業等は20%)が限度です。(平成29年4月1日から大企業については、税額控除の上乗せ制度有り)

(1)対象法人

青色申告書を提出する法人

(2)対象期間

平成25年4月1日から平成30年3月31日までの間に開始する事業年度

(3)適用要件

次の全ての要件を満たすこと

①雇用者給与等支給額(※1)の増加額が基準雇用者給与等支給額(※2)の一定以上であること

中小企業 中小企業以外
平成28.4.1~平成29.3.31
に開始する事業年度
3%  4%
平成29.4.1~平成30.3.31
に開始する事業年度
3%  5%

②雇用者給与等支給額が比較雇用者給与等支給額(※3)以上であること

③平均給与等支給額が比較平均給与等支給額(※4)を超えること

 

※1 雇用者給与等支給額
損金の額に算入される国内雇用者に対する給与等の支給額

※2 基準雇用者給与等支給額
平成25.4.1以後最初に開始する事業年度の前事業年度(H25.3期)の損金の額に算入される国内雇用者に対する給与等支給額

※3 比較雇用者給与等支給額
適用年度(H29.3期)の前事業年度(H28.3期)の損金の額に算入される国内雇用者に対する給与等支給額

※4 比較平均給与等支給額
前事業年度(H28.3期)の継続雇用者に対する給与支給額を前事業年度の継続雇用者数で除した金額

青色申告書を提出する中小企業者等(資本金1億円以下)で一定の指定事業について、中小企業投資促進税制の対象設備を平成29年3月31日までに取得及び事業の用に供した場合、税額控除又は特別償却の特例を受けることができます。

(1)概要

法人規模 通常措置
(~平成31年3月31日まで)
上乗せ措置
(~平成29年3月31日まで)
特定中小企業等
(資本金3000万円以下)
30%特別償却
又は7%税額控除
 100%償却
又は10%税額控除
上記以外の中小企業等
(資本金3000万円超
~資本金1億円以下)
30%特別償却 100%償却
又は7%税額控除

税額控除は、当期の法人税額の20%相当額を限度とし、控除限度超過額については1年間の繰越ができます。

(2)対象資産(A類型、B類型)

機械装置 160万円以上
器具備品 120万円以上(電子計算機、デジタル複合機、測定工具、試験測定機器
ソフトウエア 70万円以上
車両運搬具 3.5トン以上のもの
ソフトウエア 電子計算機に対する指示であって,一の結果をえることができるように組み合わされたもの

中小企業投資促進税制は、器具備品を対象資産から除き、平成31年3月31日まで2年延長されました。

預金に対する受取利息の源泉所得税について、全額所得控除ができると同様、公社債の利子(受取利子)についても全額所得控除の対象となりました。

平成28年1月1日以後のものから適用されています。

なお、平成28年1月1日以後、地方税の源泉徴収は実施されていません。

中小企業者等(資本金1億円以下及び従業員数1000人以下)が
平成28年4月1日以降に取得する少額減価償却資産(取得価額が30万円未満)は、
確定申告書に明細書を添付し、損金経理を要件に全額損金算入が認められています。
(平成30年3月31日まで)

但し、1事業年度(1年間)において。総額300万円に達するまでです。

※ 取得価額10万円未満は、損金経理により全額損金算入です。

※ 取得価額10万円以上20万円未満は、損金経理により一括償却資産として3年償却ができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2017年5月

既存の建物附属設備および構築物について、
平成28年4月1日以降に資本的支出があった場合には、次のように取り扱います。

①既存資産が平成19年3月31日以前に取得したもの(旧定率法)

原則:資本的支出は、「取得」として定額法により計算します。
例外:資本的支出は、既存資産の償却方法と合わせます。

②既存資産が平成19年4月1日以降に取得したもの(250%、200%定率法)

資本的支出は、「取得」として定額法により計算します。

 

※1 旧定額法・旧定率法を選択している資産についての資本的支出は、
既存資産の「取得価額」に加算することができます。

※2 250%定率法・200%定率法を選択している資産についての資本的支出は、
資本的支出を行った事業年度の「翌事業年度開始の時に、資本的支出を合計し、新たに取得したものとすることができます。

 

2017年5月24日

平成28年4月1日以降に取得する建物附属設備及び構築物の償却方法について
定率法が廃止されました。

主な資産と選択できる償却方法は下のとおりです。

取得日
~H10.3.31 H10.4.1~ H19.4.1~ H24.4.1~ H28.4.1~





建物 旧定額法
又は
旧定率法
旧定額法 定額法 定額法 定額法
建物附属設備 旧定額法
又は
旧定率法
旧定額法
又は
旧定率法
 定額法
又は
250%定率法
 定額法
又は
200%定率法
 定額法
構築物 旧定額法
又は
旧定率法
旧定額法
又は
旧定率法
 定額法
又は
250%定率法
 定額法
又は
200%定率法
 定額法
機械装置 旧定額法
又は
旧定率法
旧定額法
又は
旧定率法
 定額法
又は
250%定率法
 定額法
又は
200%定率法
 定額法
又は
200%定率法
車両運搬具 旧定額法
又は
旧定率法
旧定額法
又は
旧定率法
 定額法
又は
250%定率法
 定額法
又は
200%定率法
 定額法
又は
200%定率法
工具器具備品 旧定額法
又は
旧定率法
旧定額法
又は
旧定率法
 定額法
又は
250%定率法
 定額法
又は
200%定率法
 定額法
又は
200%定率法

平成30年4月1日以降開始事業年度に生じる次の欠損金額等について、
次の繰越期間や保存期間等を10年とされました。

①青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越期間

②青色申告書を提出しなかった事業年度の災害による損失金の繰越期間

③繰越控除制度に係る帳簿書類の保存要件における保存期間

④法人税の欠損金額に係る更正の期間制限

⑤法人税の欠損金額に係る更正の請求期間

繰越控除する事業年度のその繰越控除前所得金額に対する欠損金の繰越控除限度割合が段階的に引き下げられます。

事業年度開始日 控除限度割合
平成28年4月~平成29年3月 60%
平成29年4月~平成30年3月 55%
平成30年4月~ 50%

*資本金1億円以下の中小企業者等は、従来通り100%控除となっています。

外形標準課税適用なし法人(資本金1億円以下の法人)

法人事業税率 地方法人特別税率
所得割400万円以下 所得割800万円以下 所得割800万円超
平成26年10月1日以降に開始する事業年度 3.4% 5.1% 6.7% 43.2%
平成29年4月1日以降に開始する事業年度 5.0% 7.3% 9.6% 廃止
法人税率 地方法人税率 道府県民税率 市町村民税率 実効税率
平成28年4月1日以降に開始する事業年度  23.4% 4.4% 3.2% 9.7% 29.97%
 平成29年4月1日以降に開始する事業年度  23.4% 10.3% 1.0% 6.0% 29.97%

交際費等の損金不算入制度

(1)制度の概要(措法61の4)
法人が支出した交際費については、以下の制度が設けられています。

イ)定額控除特例制度
中小法人は、年間800万円まで交際費等を損金算入できます

ロ)飲食費の5000円基準
一人当たり5000円以下の飲食費は、交際費等から除外できます

ハ)接待飲食費の50%損金算入制度
接待飲食費の50%相当額を損金算入できます。

 

・中小法人は、イ)とハ)で有利な方を選択できます。
・中小法人以外は、イ)のみ。

・本制度の適用期限が平成30年3月31日まで2年延長されました。

 

受取配当等の益金不算入制度

(1)制度の概要(法法23等)
株式等の区分に応じて、配当等の額の一定割合を益金不算入とする制度。
関連法人株式等については、負債利子の金額があれば、負債利子の額のうち関連法人株式等に係る部分の金額を配当等の額から控除した後の金額が益金不算入額となる(負債利子控除)。

(2)株式の区分と益金不算入額(法法23、法令22の2等)

株式区分 保有割合 保有要件 益金不算入額
①完全子法人株式等 100% 前回の配当基準日翌日から
今回の基準日まで100%保有
配当等の全額
②関連法人株式等 1/3超100%未満 前回の配当基準日翌日から
今回の基準日まで1/3超保有
(①を除く)
配当等-負債利子
③その他の株式等 5%超1/3以下 ①②④以外 配当等×50%
④非支配目的株式等 5%以下 配当基準日に5%以下の保有

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会計プロフェッショナルの税務事案奮闘記
木田 稔  監修
日本公認会計士協会京滋会 編著

租税実務を行う上で必須となる租税法(租税法判例)について、京都を舞台に日々生起する相談案件を、会計士たちが判例を基に解決していく小説仕立てでわかりやすく解説。