消費税

国内において行う「特定資産の譲渡等」には、その提供を行う者と提供を受ける者の納税義務が逆転するリバースチャージ方式が適用されます。

「特定の資産の譲渡等」とは、「事業者向け電気通信利用役務の提供」及び「特定役務の提供」をいいます。

 

(1)提供する国外事業者が免税事業者である場合

役務の提供を行う国外事業者が免税事業者であっても、提供を受ける国内事業者が一般課税を適用し、かつ、課税売上割合が95%未満であれば、リバースチャージ方式による申告納税の義務が生じます(消基通5-8-1)。

(2)課税標準額と仕入税額

「特定資産の譲渡等」については、対価を支払う国内事業者が申告納税を行うことになるので、消費税等を上乗せせず、本体価格を支払対価として取引を行うことになります(消基通11-4-6)。
したがって、特定課税仕入れに係る消費税の課税標準は、特定課税仕入れに係る「支払対価の額」であり、100/108を乗じる税額計算は行いません(消法28②、消基通10-2-1)。
また、特定課税仕入れに係る消費税額は、その支払対価の額に6.3/100(6.3/108ではありません)を乗じた金額になります(消法30①)。

(3)課税売上高の計算

課税売上割合は、その事業者の資産の譲渡等及び課税資産の譲渡等の対価の額により計算します。その事業者の資産の譲渡等ではない特定課税仕入れに係る対価の額は、国内事業者の課税売上割合の計算に含まれません(消法30⑥)。

(4)仕入税額控除の適用要件

特定課税仕入れについては、控除対象仕入税額が課税標準額に対する消費税額を上回ることはありませんから、請求書等の保存は必要ありません。次の事項が記載された帳簿の保存のみで仕入税額控除の適用を受けることができます(消法30⑦、⑧二)。

イ)特定課税仕入れの相手方の氏名又は名称
ロ)特定課税仕入れを行った年月日
ハ)特定課税仕入れの内容
ニ)特定課税仕入れに係る支払対価の額
ホ)特定課税仕入れに係るものである旨

1.仮想通貨に係る課税関係の見直し

資金決済に関する法律に規定する仮想通貨の譲渡が非課税とされ、支払手段の譲渡に準じて、課税売上割合の計算に含めないこととされました。

この改正は、平成29年7月1日以後に国内において事業者が行う資産の譲渡等及び課税仕入れについて適用されます。

 

2.到着時免税店制度の創設

入国旅客が到着時免税店において購入して購入する外国貨物について、携帯品免税制度の対象として内国消費税を免除することとされました。

事業者が、国内において行った課税仕入れのうち、国外事業者からうけた「消費者向け電気通信利用役務の提供」に係るものについては、当分の間、仕入税額控除の適用は認められません。

但し、「登録国外事業者」から受けた「消費者向け電気通信利用役務の提供」については、仕入税額控除の適用が認められます。

※登録外事業者に付された登録番号の帳簿等への記載が要件となります。

免税事業者を除く事業者が,簡易課税制度の適用を受けない課税期間中に高額特定資産の課税仕入れを行った場合、当該高額特定資産の仕入等の日の属する課税期間から当該課税期間の初日以降3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間において,事業者免税点制度及び簡易課税制度は適用されないこととなりました。

 

下記の場合事業者免税点制度及び簡易課税制度の適用はなし

H28.10        H29.3期   H30.3期   H31.3期

高額特定資産の購入   ×        ×      ×

※1 高額特定資産とは、棚卸資産及び調整対象固定資産のうち、一取引単位における支払対価の額が税抜き1,000万円以上のものとなります。

Ⅰ.はじめに
 消費税法上、雇用と請負の区分(仕入税額控除の対象となる対価の区分)は、非常に難しい問題ですが、基本的な考え方としては、外注先等に支払ったものが、請負の役務提供の対価としての性格を有すれば、課税仕入に係る支払対価として、消費税法上、仕入税額控除の対象になります。
 一方、雇用契約に基づくものとされれば、給与等を対価とする役務提供を受けたものとして、課税仕入とはなりません。今回は、雇用関係に基づく役務提供か、それとも請負契約に基づく役務提供かの区分に関する判断のポイントを見る事にします。

Ⅱ.雇用か請負かのポイント
 雇用か請負かの判断のポイントについて、消費税法基本通達では、以下のように取り扱う旨を明示しています。業務とは、自己の計算において独立して事業を行なう者をいうから、個人が雇用契約又は、これに準ずる契約に基づき、他の者に従属し、かつ、当該他の者の計算により行なわれる事業に役務を提供する場合は、事業に該当しないのであるから留意する。従って、出来高払いの給与を対価とする役務の提供は事業に該当せず、また、請負による報酬を対価とする役務の提供は事業に該当するが、支払を受けた役務の提供の対価が、出来高払いの給与であるか請負による報酬であるかの区分については、雇用契約又は、これに準ずる契約に基づく対価であるかどうかによるのであるから留意する。
 この場合において、その区分を明らかに出来ない時は、例えば、次の事項を統合勘案して判定するものとする。
1. その契約に係る役務の提供の内容が他人の代替を容けれるかどうか
2. 役務の提供に当り、事業者の指揮監督を受けれるかどうか
3. まだ、引渡しを了しない完成品が不可抗力のため滅失した場合等においても、当該個人が権利として既に提供した役務に係る報酬の請求をなす事ができるかどうか
4. 役務の提供に係る材料又は用具等を供与されているかどうか

以上の内容を整理すると以下のようになります。

   ・契約内容は他人の代替が可能なものでない
   ・仕事の遂行に当り、個々の作業について指揮監督を受ける
   ・引渡し未了の物件等が、不可抗力によって滅失した場合であっても、
    その者が権利として報酬等の請求ができる
   ・役務の提供に係る材料、又は用具等を提供又は供与されている
 ような場合には、”雇用契約に基づく労務の対価”とされます。
 一方、
   ・契約内容は他人の代替が可能なものである
   ・仕事の遂行に当り、個々の作業について指揮監督を受けない
   ・引渡し未了の物件等が、不可抗力によって滅失した場合であっても、
    その者が権利として報酬等の請求ができない
   ・役務の提供に係る材料、又は用具等を自前で調達する
 ような場合には、 “請負契約に基づく労務の対価”とされます。

 上図の判定事項は、一つの目安であって、これらを総合勘案して実態に即した判定が出来るよう注意して下さい。

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会計プロフェッショナルの税務事案奮闘記
深井和巳 監修
日本公認会計士協会京滋会 編著

租税法判例について、日々生起する相談案件を、京都で開業する公認会計士事務所で働く会計士により、判例中心で読み解くストーリー仕立てで構成。