相続税・贈与税・遺言他

例 1/1に夫が死亡、法定相続人が3人(妻と子供2人)の場合は
財産と負債を計算し、差額が4,800万円《3,000万円+(3人×600万円)》を超えていれば、10/1までに相続税の申告が必要です。

海外にある財産も申告の対象?

居住無制限納税義務者非居住無制限納税義務者に該当すれば、国内・国外を問わず、すべて日本の相続税・贈与税の申告の対象となります。

(1)居住無制限納税義務者
相続または遺贈により財産を取得した次に揚げる個人で、取得した時において国内に住所を有する者をいいます(相法1の3①一)。
①一時居住者でない個人
②一時居住者

(2)非居住無制限納税義務者
相続又は遺贈により財産を取得した次に揚げる個人で、取得した時に国内に住所を持たない者をいいます(相法1の3①二)。
①日本国籍を持つ個人
(イ)相続開始前10年以内に国内に住所があった者
(ロ)相続開始前10年以内のいずれの時においても、国内に住所がなかった者(被相続人が一時居住被相続人または非居住被相続人である場合を除く)
②日本国籍を持たない個人(被相続人が一時居住被相続人または非居住被相続人である場合を除く)

遺留分とは何か
~ 遺留分の算出方法 ~

兄弟姉妹以外の法定相続人は、相続の開始後、相続財産の一定割合を確保しうる地位を有しており、これを遺留分といい、被相続人がこれを侵害するような贈与や遺贈をしたときは、遺留分権利者はその効力を奪うことができます。これを遺留分減殺請求権といいます。

■ 遺留分の割合
全体としての遺留分の割合
①直系尊属のみが相続人であるときは(例えば父母のみが相続人)、相続財産の3分の1が遺留分です。
②そのほかの場合には相続財産の2分の1が遺留分です(民1028)

被相続人が債務だけ残して死亡したとき
~ 相続の放棄 ~

相続放棄の手続
相続の放棄をする場合には、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内にその旨を家庭裁判所に申し出なければなりません(民915①、938)
この3カ月の期間を熟慮期間といいますが、相続財産の全貌がわからないケースの場合には、期間の延長を家庭裁判所に請求することができます。
なお、限定承認の場合には、相続人全員が限定承認する必要がありますが、相続の放棄は、単独でも認められます。

財産と債務のどちらが多いかわからないとき
~ 限定承認はどんなときにするべきか ~

民法では「限定承認」の制度が設けられています。
相続財産より債務が多い場合には、相続人は弁済する責任を負いません。

■ 限定承認の手続き
裁判所への申述
限定承認を受ける場合には、相続人全員が、自己のために相続の開始があったことを知った日から、3カ月以内に相続財産の目録を作成して家庭裁判所に申述しなければなりません(民923、924)
したがって、相続人が数人いる場合に、一人でも限定承認に賛成しなければ、ほかの相続人は限定承認することができません。
そのため、多額の債務が予想される場合は、相続放棄をすることも考えた方がよいでしょう。

相続財産を増やすのに協力した人の相続分
~ 「寄与分」とはどんな時に認められるのでしょうか ~

■ 寄与分が認められる場合
寄与分が認められるのは「被相続人の事業についての労務の提供または財産上の給付、被相続人の療養の看護などで、被相続人の財産の維持または増加につき特別に寄与した者」とされています。
この典型的な例として、被相続人に協力して、長い間、農業や中小企業の経営などの家業に、適切な対価を得ることなく積極的に取り組んできた子供や配偶者などが該当するものと思われます。
ただし、親子、親族として当然なされるべき協力や扶助・扶養の程度では寄与分が認められるような特別な寄与には該当しません。

■ 寄与分がある場合の相続分
寄与した者がいる場合の各人の相続分は、相続財産から、寄与分を差し引いて、みなし相続財産を求め、これに法定相続分(または指定相続分)割合を乗じて算定します。
そして、寄与した者の相続分は各人の相続分に寄与分を加えたものとなります。

生前贈与を受けていた相続人の相続分
~『特別受益者』の相続分 ~

■ 特別受益者がいる場合の相続分

特別受益者が得た贈与や遺贈の分を、特別受益として相続財産に組入れ(これを「特別受益額の持ち戻し」といいます)、「みなし相続財産」とします。
「みなし相続財産」をベースに法定相続分または指定相続分に従って各人の相続分を算定します。
そして、特別受益者は、その相続分から特別受益額を差し引いた残額が相続分となるのです。

なお、特別受益の価額が本来の相続分に等しいか、または超える場合には特別受益者の相続分はないことになります。

 

Q:行為能力が制限されている相続人がいた場合は

A:後見人・保佐人を選出します

■ 成年被後見人
精神障害のために合理的な判断ができない状況にある人(成年被後見人)が相続人となった場合には、次に掲げる人がその相続手続をすることになります。

①相続開始前に成年後見人が選任されている場合

選任されている成年後見人

②成年後見人が選任されていない場合

家庭裁判所が選任した成年後見人

ただし、
成年被後見人と成年後見人との間で利益が相反する場合には、特別代理人の選任が必要となります。
成年後見監督人がある場合には、成年後見監督人が成年被後見人を代理することになります。

 

■ 被保佐人

被保佐人が相続人となった場合には、次に掲げる人が被保佐人の相続手続をすることになります。

①相続開始前に保佐人が選任されている場合

選任されている保佐人(同意権または代理権)

②保佐人が選任されていない場合

家庭裁判所が選任した保佐人

ただし、保佐人は複数置くことも可能

Q:被相続人の生死不明時の相続はどうするか

A:「失踪宣告」の手続きをします

失踪により生死不明の状態が、一定期間(普通失踪の場合7年以上、危難失踪の場合1年以上)継続した場合には、失踪者と利害関係がある者は、家庭裁判所に失踪宣告を申し立てることが認められています。そして家庭裁判所は申立てにより公示催告を行って、失踪宣告について審判します。

失踪宣告を受けた人は法律上死亡したものとみなされ、相続が開始します。

民法(相続関係)の改正に伴う見直し
①相続税における配偶者居住権等の評価額を次のとおりとします。
イ 配偶者居住権
建物の時価-建物の時価×(残存耐用年数-存続年数)/残存耐用年数×存続年数に応じた民法の法定利率による複利現価率
ロ 配偶者居住権が設定された建物(以下「居住建物」という。)の所有権
建物の時価-配偶者居住権の価額
ハ 配偶者居住権に基づく居住建物の敷地の利用に関する権利
土地等の時価-土地等の時価×存続年数に応じた民法の法定利率による複利現価率
ニ 居住建物の敷地の所有権等
土地等の時価-敷地の利用に関する権利の価額

(注1)上記の「建物の時価」及び「土地等の時価」は、それぞれ配偶者居住権が設定されていない場合の建物の時価又は土地等の時価とします。
(注2)上記の「残存耐用年数」とは、居住建物の所得税法に基づいて定められている耐用年数(住宅用)に1.5を乗じて計算した年数から居住建物の築後経過年数を控除した年数をいいます。
(注3)上記の「存続年数」とは、次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める年数をいいます。
(イ)配偶者居住権の存続期間が配偶者の終身の間である場合配偶者の平均余命年数
(ロ)(イ)以外の場合遺産分割協議等により定められた配偶者居住権の存続期間の年数(配偶者の平均余命年数を上限とします。)
(注4)残存耐用年数又は残存耐用年数から存続年数を控除した年数が零以下となる場合には、上記イの「(残存耐用年数-存続年数)/残存耐用年数」は、零とします。

②物納劣後財産の範囲に居住建物及びその敷地を加えます。

③配偶者居住権の設定の登記について、居住建物の価額(固定資産税評価額)に対し1,000分の2の税率により登録免許税を課税します。

➃特別寄与料に係る課税について、次のとおりとします。
イ 特別寄与者が支払いを受けるべき特別寄与料の額が確定した場合には、当該特別寄与者が、当該特別寄与料の額に相当する金額を被相続人から遺贈により取得したものとみなして、相続税を課税します。
ロ 上記イの事由が生じたため新たに相続税の申告義務が生じた者は、当該事由が生じたことを知った日から10月以内に相続税の申告書を提出しなければなりません。
ハ 相続人が支払うべき特別寄与料の額は、当該相続人に係る相続税の課税価格から控除します。
ニ 相続税における更正の請求の特則等の対象に上記イの事由を加えます。

⑤遺留分制度の見直しに伴う所要の措置を講じます(所得税についても同様です。)。

⑥その他所要の措置を講じます。

民法(成年年齢)の改正に伴う見直し
【令和4年4月1日以降に相続若しくは遺贈又は贈与により取得する財産に係る相続税又は贈与税について適用】

(1)相続税の未成年者控除の対象となる相続人の年齢を18歳未満(現行:20歳未満)に引き下げます。(相法19の3)

(2)次に掲げる制度における受贈者の年齢要件を18歳以上(現行:20歳以上)に引き下げます。
①相続時精算課税制度(相法21の9)
②直系尊属から贈与を受けた場合の贈与税の税率の特例(措法70の2の5)
③相続時精算課税適用者の特例(措法70の2の6)
➃非上場株式等に係る贈与税の納税猶予制度(特例制度についても同様とします)

結婚・子育て資金の一括贈与非課税措置の見直し
【次の措置を講じた上、適用期限を2年延長】

(1)信託等をする日の属する年の前年の受贈者の合計所得金額が1,000万円を超える場合には、当該信託等により取得した信託受益権等については、本措置の適用を受けることができないこととします。
(注)上記の改正は、平成31年4月1日以後に信託等により取得する信託受益権等に係る贈与税について適用します。

教育資金の一括贈与非課税措置の見直し
【次の措置を講じた上、適用期限を2年延長】

(1)信託等をする日の属する年の前年の受贈者の合計所得金額が1,000万円を超える場合には、当該信託等により取得した信託受益権等については、本措置の適用を受けることができないこととします。
(注)上記の改正は、平成31年4月1日以降に信託等により取得する信託受益権等に係る贈与税について適用します。

(2)教育資金の範囲から、学校等以外の者に支払われる金銭で受贈者が23歳に達した日の翌日以後に支払われるもののうち、教育に関する役務提供の対価、スポーツ・文化芸術に関する活動等に係る指導の対価、これらの役務提供又は指導に係る物品の購入費及び施設の利用料を除外します。ただし、教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講するための費用は除外しません。
(注)上記の改正は、令和元年7月1日以後に支払われる教育資金について適用します。

(3)信託等をした日から教育資金管理契約の終了の日までの間に贈与者が死亡した場合(その死亡の日において次のいずれかに該当する場合を除く。)において、受贈者が当該贈与者からその死亡前3年以内に信託等により取得した信託受益権等について本措置の適用を受けたことがあるときは、その死亡の日のおける管理残額を、当該受贈者が当該授与者から相続又は遺贈により取得したものとみなします。
①当該受贈者が23歳未満である場合
②当該受贈者が学校等に在学している場合
③当該受贈者が教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受講している場合
(注1)上記の「管理残額」とは、非課税拠出額から教育資金支出額を控除した残額のうち、贈与者からその死亡前3年以内に信託等により取得した信託受益権等の価額に対応する金額をいいます。
(注2)上記の改正は、平成31年4月1日以後に贈与者が死亡した場合について適用します。ただし、同日前に信託等により取得した信託受益権等の価額は、上記(注1)の信託受益権等の価額に含まれないものとします。
➃教育資金管理契約の終了事由について、受贈者が30歳に達した場合においても、その達した日において上記(3)②又は③のいずれかに該当するときは教育資金管理契約は終了しないものとし、その達した日の翌日以降については、その年において上記(3)②若しくは③のいずれかに該当する期間がなかった場合におけるその年12月31日又は当該受贈者が40歳に達する日のいずれか早い日に教育資金管理契約が終了するものとします。
(注)上記の改正は、令和元年7月1日以後に受贈者が30歳に達する場合について適用します。

参考:文部科学省「2019年度 文部科学省税制改正の概要」P.2
http://www.mext.go.jp/a_menu/kaikei/zeisei/1412046.htm

 

個人事業者の事業用資産に係る贈与税の納税猶予制度
【平成31年1月1日から令和10年12月31日までの贈与について適用】

認定受贈者(18歳(令和4年3月31日までの贈与については、20歳)以上である者に限る。以下同じ。)が、平成31年1月1日から令和10年12月31日までの間に、贈与により特定事業用資産を取得し、事業を継続していく場合には、担保の提供を条件に、その認定受贈者が納付すべき贈与税額のうち、贈与により取得した特定事業用資産の課税価格に対応する贈与税の納税を猶予します。

個人事業者の事業用資産に係る相続税の納税猶予制度
【平成31年1月1日から令和10年12月31日までの相続等について適用】

認定相続人が、平成31年1月1日から令和10年12月31日までの間に、
相続等により特定事業用資産を取得し、事業を継続していく場合には、担保の提供を条件に、その認定相続人が納付すべき相続税額のうち、相続等により取得した特定事業用資産の課税価格に対応する相続税の納税を猶予する。

自己、自己の配偶者に加え、3親等内の親族、関係する同族会社・一般社団法人等の所有する家屋に居住している者が除外されます。

また、相続開始時に居住していた家屋を「相続前」に所有していた者が除外されます。

昨今、相続登記をしない者が増えており、それが空き家問題等の一因になっていると指摘されていました。
そこで法務省は、相続に係る手続の負担を減らし不動産登記を促進するため、「法定相続情報証明制度」を創設しました。

同制度に係る不動産登記規則の改正省令が4月17日に公布、5月29日に施行され、
全国の登記所(法務局)で「認証文付き法定相続情報一覧図の写し」の入手申出ができます。

以前は、相続登記や被相続人の預金の払戻し手続等の際、その都度戸籍書類一式を用意する必要がありましたが、新制度では法務局で一定の手続きをすることで、無料で必要な分だけ取得できる「認証文付き法定相続情報一覧図の写し」を各種相続手続きで利用できるようになりました。

 

非上場株式の評価については、その評価会社の規模に応じて「大会社」、「中会社」、「小会社」に区分され、それぞれ採用できる評価方法が定められています。

大会社の判定基準として従業員数が「100人以上」から「70人以上」に引き下げられます(評基通(案)178)。

これまでより大会社に該当しやすくなり、類似業種比準方式をとりやすくなります。

~ 取引相場のない株式の評価額 ~

非上場株式の評価方法のひとつ「類似業種比準方式」では、評価対象の会社とその類似業種における1株当たりの配当金額、利益金額、簿価純資産価額(比準要素)と類似業種の株価を基に、その評価会社の株式の評価額を算定します。

これら比準要素の比重が、これまでは「1:3:1」と利益金額に重きが置かれていましたが、見直しにより「1:1:1」に割合が均等となります。

類似業種比準方式の見直しについては、平成29年1月1日以後の相続・贈与に適用されます。

~ 取引相場のない株式の評価 ~

類似業種比準方式における”類似業種の株価”の採り方を定めた「財産評価基本通達182」において、「課税時期の属する月以前2年間平均」を追加することで、より平準化された株価を採用できることになりました。

 

 

 平成27年1月1日以降の相続から遺産に係る基礎控除額の改正のため
 相続税の申告報酬についての軽減を考えました。

   相続税申告の料金・報酬の目安 (消費税は別途とします)

基本報酬  100,000円に次の基準による報酬額を加算する
       取得財産の価額   報 酬 額
      7000万円未満  350,000円
      7000万円以上  500,000円
      1億円以上     700,000円~
      3億円以上    1,500,000円~
  取得財産の価額とは、生命保険控除や小規模宅地等の特例適用前の財産総額で算定します。

報酬加算  相続人が複数いる場合 +基本報酬×10%×(相続人の数-1)
      土地の評価(1利用区分ごとに)   +30,000円~
      非上場株式の評価(1法人ごとに)  +75,000円~

   平成27年1月1日以降の相続から遺産に係る基礎控除額が引き下げられます。
  改正前は、5000万円+(1000万円×法定相続人の数)であったものが、
  改正後は、3000万円+( 600万円×法定相続人の数)に引き下げられます。
   法定相続人が、妻と子2人の3人であった場合、基礎控除額は、
  改正前は、8000万円であったものが、4800万円になるということです。

   この改正のための申告報酬についての下記の通りの軽減を考えました。
  ・ 相続税の課税価格(特例適用前)が基礎控除額以下で相続税の申告義務はないが、
    申告書を作成、提出を希望される場合の基本報酬は、300,000円とします。
  ・ 相続時精算課税の適用により納付税額はないが、申告のみ必要な場合、350,000円
  ・ 改正前の基礎控除額以下であるが、この改正により相続税を申告必要となった場合
    の基本報酬は、350,000円とする。
  ・ 小規模宅地等の特例、配偶者の税額の軽減の適用により納付税額はないが、
    申告のみ必要な場合の基本報酬は、400,000円とします。

できること
    ・ 毎年の申告実績があります
    ・ 相続税の申告の流れ及びスケジュールを事前に相談します
    ・ 二次相続をも含めた上での相続分割案を提供できます
    ・ 鑑定評価等により不動産評価は最大限減額します
    ・ 相続の財産評価において時価との差が相当にあると思われる場合には、
     弊社提携不動産鑑定士にて適切な財産評価の依頼ができます
    ・ 税務調査のポイントを懇切丁寧に解説します
    ・ 物納、納税猶予等の最適を提案します
    ・ 相続登記は、弊社提携司法書士にて依頼ができます
    ・ 相続物件の有利な処分等相続税申告他のノウハウも備えています
    ・ 事前相続税節税プランをご相談できます
    ・ 公正証書遺言の作成手続きについてお手伝いできます
    ・ 相続分割協議がなかなか整わない場合、弊社提携弁護士を紹介できます

別途料金となるもの
    ・ 税務調査における調査立会いの費用及び修正申告書作成費用
    ・ 物納、納税猶予等の手続きにかかる費用
    ・ 不動産評価における鑑定評価料
    ・ 相続登記に係る登録免許税及び司法書士費用
    ・ 不動産評価に係る不動産鑑定評価報酬
    ・ 公正証書遺言作成に係る費用

  小規模宅地等の特例改正 (平成26年1月1日以後相続分)

 相続財産の中に被相続人(お亡くなりになった方)の事業や居住の用等のために相続開始
直前において使用していた宅地があり一定の要件を満たせば、相続財産の価格(課税価額)
を減額する特例(小規模宅地等の特例)があります。

   例えば6千万円の居住用の土地をお持ちで一定の要件を満たすと相続税の計算上、
  評価を80%減額し1,200万円の評価となります。
   (対象がこの土地のみであれば240㎡まで、平成27年から330㎡までに拡大)

  その他平成26年1月1日開始以後相続における小規模宅地等の特例の重要な改正点

① 二世帯住宅の適用要件緩和
 自宅が2世帯住宅の場合で子が相続する場合、
 以前は建物内部で互いに行き来できる構造でないと同居とみなされず、小規模宅地等の特
例対象外であったのですが(一定の場合を除く。)、平成26年からは構造にかかわらず対象
となります。
 ただし、二世帯で親子が区分所有登記をしている場合、親の居住用部分のみが特例が適用
され子居住部分には適用対象外となります。
 面積が親子同一の場合、先ほどの例であれば6千万円の土地が2,400万円の減額しか
受けられず3,600万円の評価となります。
  (6千万円-6千万円×1/2×80%=3,600万円)
 特例の適用を最大限受けようとするのであれば共有登記が有利となります。
 ※ 区分所有:ひとつの財産が複数に区分されていてそれぞれが独立している状態
 ※ 共有:ひとつの財産を複数の人が共同保有している状態
 また、二世帯で住んでいた子供世帯が転勤となり家族で転居しその後親が亡くなった場合は
同居とはみなされず適用対象外となります。
 子が家族を残して単身赴任していれば子の家族のいる自宅は二世帯住宅となり適用対象と
なる(ただし転勤という特殊事情が解消すれば自宅に戻って家族と同居する等の要件が必要)
ので特例検討の際はご注意下さい。

② 老人ホームに入所した場合の適用要件の緩和
 老人ホームに入所したことで被相続人(お亡くなりになった方)が住まなくなった自宅の
敷地は本来は相続開始直前において被相続人が住んでいないため特例の対象外でしたが、
改正で次の要件を満たす場合住んでいたものとして特例の適用を受ける事ができるようにな
りました。
 ア) 介護が必要であるため入所したものである事
 イ) 自宅を貸付の用に供していない事
 ※ 終身利用権を使用しても適用可能
 こちらも要件が緩和したのですがイ)の貸付の用に供してしまうと居住要件を満たさず適用
 対象外となるためご注意下さい。

相続税申告の報酬・料金の目安 (消費税は別途とします)
基本報酬  100,000円に次の基準による報酬額を加算する
       取得財産の価額   報 酬 額
      7000万円未満  350,000円
      7000万円以上  500,000円
      1億円以上     700,000円~
      3億円以上    1,000,000円~
  取得財産の価額とは、生命保険控除や小規模宅地等の特例適用前の財産総額で算定します

報酬加算
      相続人が複数いる場合 +基本報酬×10%×(相続人の数-1)
      土地の評価(1利用区分ごとに)   +30,000円~
      非上場株式の評価(1法人ごとに)  +75,000円~

できること
    ・ 毎年の申告実績があります
    ・ 相続税の申告の流れ及びスケジュールを事前に相談します
    ・ 二次相続をも含めた上での相続分割案を提供できます
    ・ 鑑定評価等により不動産評価は最大限減額します
    ・ 相続の財産評価において時価との差が相当にあると思われる場合には、
     弊社提携不動産鑑定士にて適切な財産評価の依頼ができます
    ・ 税務調査のポイントを懇切丁寧に解説します
    ・ 物納、納税猶予等の最適を提案します
    ・ 相続登記は、弊社提携司法書士にて依頼ができます
    ・ 相続物件の有利な処分等相続税申告他のノウハウも備えています
    ・ 事前相続税節税プランをご相談できます
    ・ 公正証書遺言の作成手続きについてお手伝いできます
    ・ 相続分割協議がなかなか整わない場合、弊社提携弁護士を紹介できます

別途料金となるもの
    ・ 税務調査における調査立会いの費用及び修正申告書作成費用
    ・ 物納、納税猶予等の手続きにかかる費用
    ・ 不動産評価における鑑定評価料
    ・ 相続登記に係る登録免許税及び司法書士費用
    ・ 不動産評価に係る不動産鑑定評価報酬
    ・ 公正証書遺言作成に係る費用

 相続により土地を取得する場合において、その評価額は国税庁が発表する路線価に基づいて
評価します(倍率評価方式の地域を除く)が、この方式により土地を評価する場合には、その
路線価に土地の地積を乗じて計算しますが、
 ① 土地の形がよくない不整形地
 ② 擁壁などのがけ地
 ③ 路線価に接している部分が狭い間口狭小の土地
 ④ 路線価に接している間口部分に対して著しく奥行きが長い奥行き長大な土地
 ⑤ 新たに建物を建てる際等に敷地の一部を道路として提供する土地(セットバック)
 ⑥ その土地が周囲の土地の地積に対して著しく大きくかつ、開発行為を行うとした場合に
   公共公益的施設用地の負担が必要と認められる土地(広大地)
 これらのように場所や状況応じて様々な減額があり、これらの評価方法は財産評価基本通達
に基づいて行われます。
 土地の評価をする際には、このような財産評価基本通達に基づく減額のほかにも様々な減額
があり複雑です。そのため、これらの減額を考慮せずに土地の評価額を計算し、相続税を多く
払ってしまう場合も少なくありません。しかし、相続税を多く払ってしまった方でも相続開始
の日から5年10か月以内であれば、払いすぎた分の相続税を請求できる手続きがあります。
 国税庁の統計によると、このような手続きによって平成24年には相続税が400億円を超
えて還付されており、その原因のほとんどが土地の評価額の減額によるものとみられています。
過去にはこの手続きにより相続税が、1000万円を超えて還付された事例も多くあり、その
大きな要因は土地の評価方法です。この結果から相続税の申告で最も重要な項目が土地の評価
であり、土地の評価額によって相続税が大きく変動することがわかります。
 税務相談への回答などを公表する国税庁のタックスアンサーによると、
 ① 墓地などに隣接する土地
 ② 道路との高低差が著しい土地
 ③ 地盤に甚だしい凹凸がある土地
 ④ 地盤が震動する土地
 ⑤ 周囲に騒音がある土地
 ⑥ 日光が当たりにくい土地
 ⑦ 周囲の臭いがひどい土地
 これらの土地は利用価値が著しく低下しているとして、土地の評価額を10%減額すること
もできます。しかしながら、国税庁はこのような土地の減額に対して明確な基準を示しておら
ず、相続に精通する税理士でも意見が分かれ、過去の申告実績などから判断するしかないため、
判断が非常に難しいところです。そのため、相続税の申告書の作成を依頼する税理士によって、
納付する相続税額が異なることがあります。
 また、自宅の庭に稲荷や不動尊、祠などがあればそうした設備は相続税が非課税となること
はもちろんのこと、その設備の敷地も相続税は非課税とするべきであると東京地裁が判決を出
したのを受けて、国税庁は平成25年7月に、課税の取り扱いを変更しました。
 平成20年の国税不服審判所の裁決では、埋蔵文化財のある土地は文化財保護法で義務付け
られる発掘調査費の80%を減額できた例もあります。

 相続税申告における土地の評価は、財産評価基本通達に従って行うことが基本でありますが、
国税庁が公表するタックスアンサーや、裁判所の判決事例、納税者の正当な権利を守る機関で
ある国税不服審判所の裁決なども土地を評価する重要な情報となります。土地の評価は相続税
の申告において最も重要な項目であるにも関わらず統一された基準がないため、相続税の申告
を依頼する税理士の知識や申告等の実績などが相続税額を大きく左右することにもなります。

Ⅰ.遺言執行者就任後の事情の変更
 一度、遺言執行者が指定ないし選任された場合でも、任務の継続が不可能になった場合や、
不適切な行為があった場合などには、遺言執行者の辞任や解任が認められています。

Ⅱ.遺言執行者の辞任
 遺言執行者は、正当な事由がある場合には、家庭裁判所の許可を得て、その任務を辞する
ことができます。正当な事由とは、長期間の病気や遠隔地への引越し等、遺言執行が客観的
に困難と認められる状態をいいます。
 辞任を希望する遺言執行者は、相続開始地の家庭裁判所に対して辞任許可の審判を申し立
てる必要があり、その中で正当な事由の有無が判断されます。
 辞任に制限が生じるのは、遺言執行者の任務の重要性に鑑み、一方的な辞任によって相続
人に不足の損害を与えないためです。

Ⅲ.遺言執行者の解任
 遺言執行者が任務を怠ったとき、その他正当な事由があるときは、利害関係人(相続人や
受遺者等)が、遺言執行者の解任を家庭裁判所に請求することができます。
 解任の事由は、遺言執行者の任務懈怠のほか、一部の相続人のみを有利に取り扱っている
場合や、病気等により円滑な遺言執行が期待できないような場合も含まれます。
 解任を希望する利害関係人は、相続開始地の家庭裁判所に対して解任の審判を申し立てる
必要があり、その中で解任事由の有無が判断されます。

Ⅳ.辞任、解任後の措置
 引続き、遺言執行者が必要となる場合には、新たな遺言執行者の選任を家庭裁判所に対し
て請求することになります。

 Q1 遺言は誰が執行するの??
 A1 遺言執行者です。
   遺言は、指定があれば遺言執行者が執行します。
   遺言執行者がいない場合には、相続人が遺言を執行することになります。
   ただし、相続人が遺言を執行する場合には各相続人の利益が相反することとなります。
    したがって被相続人と相続人全員の遺言執行に関する代理人として遺言執行人を選任
   することが有効となります。
   遺言執行者は遺言で指定できます。
   遺言執行者は、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務
   を有します。
   遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき
   行為をすることが出来ません。
   つまり、遺言執行者を指定しておくと、遺言を確実に実行することが可能となります。

遺言執行者の役割
 遺言を定めておいても実際にその通りの遺産相続を行うことは困難な状況があります。
 このような場合でも遺言執行者は、単独で遺言どおりの相続登記や名義変更が可能です。
 このため、遺言を作成する場合には、なるべく遺言執行者を指定することが重要となります。
 遺言執行者を選任するメリットは、次のようなものがあります。
  ・ 遺言内容の確実な履行
  ・ 相続人の勝手な行為の防止
  ・ 名義変更等のスムーズな実施

 Q2 遺言執行者には誰を選ぶか?
 A2 遺言執行者には、「未成年者及び破産者」以外であれば誰でも指定することが可能です。
 法律知識や事務能力に長けた個人又は法人を指定すると良いでしょう。
  例えば、税理士、弁護士などの個人のほか、信託銀行などの法人です。
 相続人のうちの誰かを指定する方法もあります。コスト的には最も割安ですが、法律知識が
 浅く事務能力が低い場合には、事務手続きが進まない可能性もあり、上記のメリットが享受
 できないかもしれません。遺言執行者の選任にあたって考慮すべき点は次のようなものです。
  ・ 財産の名義変更手続きは、法律知識のある専門家でなければ困難
  ・ 遺言で遺言執行者を指定された者が、それを引き受けるかどうかは本人次第
  ・ 遺言執行者が先に亡くなることもある。

遺言がある場合の手続きのスケジュール
 1. 遺言の発見
 2. 家庭裁判所へ検認の申し立て(公正証書遺言を除く)
 3. 遺言執行者(遺言により指定された人、又は家庭裁判所により指定された人)の就職
 4. 相続人等への遺言の提示と遺言執行者としての就職の通知
 5. 遺言の実現
 6. 財産目録の調製と相続人への交付
 7. 財産目録に基づく財産管理
 8. 遺言の執行に必要な行為を行う(登記の移転など)
 9. 遺言執行が終了した旨を相続人に通知する

 相続人のみで遺産分割協議を行っていると、感情的になったり、又、同じところを
堂々巡りしていたりして、当事者だけではなかなか分割がまとまらないということは
よくあります。
 そのような場合には、以下の方法が順に考えられます。
 1. 税理士等に相続財産の中立的な立場での評価をしてもらうところから始める
 2. 家庭裁判所に、遺産分割調停を申し立てる
 3. 弁護士に中に入ってもらい遺産分割協議を行う

 1. 税理士等に相続財産の評価を中立的な立場で依頼する。
  例えば、遺産が金融資産3500万円、その他に土地付自宅があり、
 相続人が子供A、Bの2人の場合。
  子供Aは自宅で親と同居していたから自宅の不動産を相続し、
  子供Bは金融資産3500万円を相続し、一件落着となるでしょうか。
 この自宅は20年前に両親が4500万円ほどで購入したものなので、
 子供BはAに対して差額部分を要求するかもしれません。
 また、一方子供Aは、この自宅は現在売っても2500万円にも満たないので
 差額部分をBに要求するかもしれません。
  この場合、問題となってくるのが土地付自宅の評価です。
 基本的には時価で評価し、遺産分割を行うことになりますが、この時価と言うのは
 一義的に決まるものではありません。

 ここで、ひとつのものさしになるものとして固定資産税評価額があります。
 ただし、一般的には、固定資産税評価額は、時価(実際に売れる価格)より相当
低い場合が多いです。固定資産税評価額はだいたい時価の70%といわれています。
逆に人気がない物件だと固定資産税の評価額以下でも売れない場合もあります。
 次に、路線価があります。路線価とは、相続税や贈与税のもとになる評価でどの道路
にどう面しているかでその評価をします。だいたい時価に対して80%といわれています。
 不動産鑑定士による評価も考えられます。さまざまな土地の評価方法から総合的に
不動産鑑定士が鑑定書という書類で示すもので、信頼性の高い評価といわれています。
ただし、費用はそれなりにかかります。

 2. 家庭裁判所で、遺産分割調停を申し立てる
  被相続人が亡くなり、その遺産の分割について相続人の間で話し合いがつかない
 場合には家庭裁判所の遺産分割の調停を利用することができます。
  相続人のうちの1人もしくは何人かが他の相続人全員を相手方として申し立てるもの
 です。弁護士に依頼をしなくても本人自身で申し立てが可能です。
  調停手続では、当事者双方から事情を聴かれたり、必要に応じて資料等を提出させ
 られたりした上で、各当事者がそれぞれどのような分割方法を希望しているか意向を
 聴取され、解決案を提示されたり、解決のために必要な助言をされたりし、合意を目指
 し話合いが進められます。
  なお,話合いがまとまらず調停が不成立になった場合には次は自動的に審判手続が
 開始され、家事審判官(裁判官)が、遺産に属する物又は権利の種類及び性質,各相
 続人の年齢,職業,心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮して、審判を
 することになります。
  費用は、被相続人1人につき収入印紙1,200円です。
  その他予納郵便切手2,000円程度かかります。
  弁護士を代理人として遺産分割調停を行うこともできますが、費用倒れになる可能性
 があるので注意が必要です。

 3. 弁護士を代理人として遺産分割協議を行う
  上記の遺産分割調停は、弁護士に依頼しなくても当事者間のみで簡潔させることは
 可能です。
  しかし、弁護士に依頼するメリットとして以下のようなことが考えられます。
 1. 他の相続人との交渉も委任できるので、嫌な思いをしなくて済む
 2. 他の相続人に弁護士がついている場合は、言い負かされずに済む
 3. 場合によっては、自分で行うより多くの相続分を手に入れることができる
  一方、デメリットとしては、弁護士報酬の高さが考えられます。
 場合によっては遺産の額よりも弁護士報酬の方が高くなってしまう場合もあるので
 注意が必要です。

 相続人間でどう分けるかは基本的に自由

 相続財産を分けるとき遺言書があればそれに従うことになりますが、
 遺言書がない場合は相続人全員が納得するならどのように分けようが自由です。
 法定相続分が決まっているからと言って、これに従わなければいけないわけではありません。
 法定相続分はあくまで“目安”と考えていいです。

 仮に、父が亡くなって相続人が母と子供の2人だとすると、法定相続分は母と子がそれぞれ
2分の1ずつですが、母がすべての財産を取得し子供が財産を一切取得しないという遺産分割
の内容でも母と子供の両者が納得していれば何の問題もありません。

 また、仮に相続人間で遺産分割について話し合いがまとまらず調停などの争いになった場合
には、この法定相続分と言う考え方に従うことになります。

 民法が定める法定相続分とは、3つのパターンに分けられます。
 1. 配偶者と子供が相続人である場合
      配偶者1/2 子供1/2
 2. 配偶者と直系尊属(両親、祖父母等)が相続人である場合
      配偶者2/3 直系尊属1/3
 3. 配偶者と兄弟姉妹が相続人である場合
      配偶者3/4 兄弟姉妹1/4
  また、上記のケースで、子供、直系尊属、兄弟姉妹がそれぞれ2人以上いるときは、
その人数に応じて、均等に分けられます。
 なお上記のケースで配偶者がいない場合には、配偶者を除いた相続人の人数によって、
均等の割合で相続することになります。

(非嫡出子の相続分)
 平成25年12月5日,民法の一部を改正する法律が成立し,嫡出でない子の相続分が
 嫡出子の相続分と同等になりました(同月11日公布・施行)。

(寄与分や特別受益)
 寄与分を主張できるのは、相続人にかぎられ、内縁の妻や事実上の養子などは、どんなに
貢献していたとしても、自ら寄与分を主張することはできません。
 相続放棄した者、相続欠格者及び廃除された者も寄与分を主張する資格はありません。                   

 寄与分が認められるのは
 被相続人の事業に関する労務の提供または財産の給付、被相続人の療養看護その他の方法
により被相続人の財産の維持または増加につき特別に寄与をした共同相続人についてです。
 (例) 長男としてほとんど無給で父の事業を手伝ってきた。
    被相続人の商店兼自宅の増改築に資金を提供した。
    娘が勤めをやめて入院中の付き添いをしてきた
   また、特別の寄与であったというためには、たとえば妻が夫の療養看護に努めることは
   夫婦の当然の義務ですので、寄与にあたりません。

 寄与分を定める手続
 寄与分は原則として相続人全員の話し合い(協議)で決めます。協議がまとまらないときは、
 家庭裁判所に調停や審判を申立ててその額をきめてもらうことになります。
 ただし、寄与分の審判は、遺産分割の前提問題ですから、遺産分割審判の申立てがなされ
ていなければなりません。

 特別受益とは
 共同相続人の中に被相続人から生前に贈与等を受けていた者がいる場合に、遺産を単純に
法定相続分通りに分けると、不公平が生じてしまいます。
 これを是正しようとするのが、特別受益の制度です。
 つまり、その相続人が遺産分割にあたって受けるべき財産の前渡しを受けていたものとして
考えるというものです。
 是正の方法は、その贈与等の価額を相続財産に加算します。これを特別受益の持戻しといい、
その加算した額を基礎として各人の相続分を計算し、その後、その相続人の相続分より特別受
益の持戻しの額を差引き、各人の具体的相続分を計算するというものです。

 特別受益者となるのは 
 被相続人から、
 ① 遺贈  ② 婚姻・養子縁組のための贈与  ③ 生計の資本としての贈与をうけた者
 で、遺贈された財産はその目的を問わず、すべて特別受益として持ち戻しの対象になります。
  しかし、「婚姻・養子縁組のためもしくは生計の資本として」贈与された財産が特別受益
 になるのかどうかについては、被相続人の資産・収入、社会的地位、その当時の社会的通念
 を考慮して個別に判断すべきものとされています。
 (例) 婚姻の際持参金をもらった。
   ※結納金、挙式費用は特別受益にあたらないとされています。
    独立して事業を始めるときに開業資金を出してもらった。
    家を建ててもらったり、住宅取得資金を出してもらった。
    私立の医科大学への多額の入学金を出してもらった。
   ※ただ単に、生活費の援助を受けていただけであるというような場合には、生計の資本
    としての贈与には該当せず、民法第877条(扶養義務者)に規定する扶養義務を履行
    したものと解されますので、このような生活費相当額の贈与については、特別受益とは
    認められません。

(遺言書の内容を無視したい場合)
 法的に有効な遺言書がある場合は、基本的には遺言書の内容に従って遺産を分けなければ
いけません。しかし、受遺者(遺言による財産の受取人)全員が納得すれば、遺言書を破棄し、
新に相続人全員で遺産分割協議を行うこともできます。
 ただ、遺言による財産の受取人で相続人以外の人がいる場合には、一旦遺言書を破棄して
しまうと、その相続人でない者は相続財産を取得することができなくなるので注意が必要です。
相続人でない者は遺産分割協議に参加できません。

(生命保険金・死亡退職金)
 保険金受取請求権は、遺産ではなく、保険金受取人(相続人)の固有財産とされています。
 しかし、不公平とみられる程に高額の場合は、これを特別受益とみなされる場合があります。
 なお、、特別受益にあたるとした場合の持戻し額が保険金のうちどこまで持戻しの対象にする
かについては諸説があります。
 死亡退職金についても、一般的には、受給者の固有の権利とされていますが、
 生命保険金同様特別受益とされることがあります。

◎ 判例 最高裁平成16年10月29日判決
 死亡保険金は,民法903条1項に規定する遺贈又は贈与に係る財産(特別受益財産)には
 当たらないと解するのが相当である。
  もっとも、保険金受取人である相続人とその他の共同相続人との間に生ずる不公平が民法
 903条の趣旨に照らし到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき
 特段の事情が存する場合には,同条の類推適用により,当該死亡保険金請求権は特別受益
 に準じて持戻しの対象となると解するのが相当である。

 <相続税の申告書を検証するための資料収集>
 税務署では、相続税の申告書が提出されると相続税の申告書に記載された内容が正しいもの
かどうかの検証を行います。
 不動産については、市区町村役場からの固定資産税評価額通知により申告洩れがないかどう
かのチェックをします。
 又、相続財産の申告洩れとして最も多く指摘されるのが預貯金をはじめとした金融資産です
が、税務署は、銀行や証券会社などの金融機関へ照会を行います。残高証明書だけでなく、預
貯金であれば口座の入出金の明細も入手しています。
 残高証明書や入出金明細の取得は、被相続人名義の口座だけでなく家族名義の口座も入手し
ているため、親の預金口座から子供の預金口座へ現金を動かしたことがすぐにわかります。
 これは、祖父母の預金口座から孫の預金口座へ現金を動かすことも同様です。
 この他、預金口座から引き出した現金をそのままタンス預金をしていてもわかります。
なぜなら、預金口座から「引き出した」という証拠が残っています。多額の現金を引き出した
のであれば、その使途は必ず調べられるのは明らかであり、もしその使途が不明であればタン
ス預金をしていると疑われることになります。
 また、近年では海外に現金を送金する人が増えてきています。日本から海外へ送金をしたと
きや海外から日本へ送金された金額が100万円を超えるときは、銀行から税務署へ国外送金
の調書が提出されることになっています。
 又、平成25年より5千万円を超える国外財産を有する方は、国外財産調書を提出すること
になりました。

 <税務署にて相続税の税務調査が必要かどうかの判定>
 税務署で集められた各種資料を基に、KSKシステムへデータが蓄積されていきます。
 この集約されたデータにより、提出された相続税の申告書が適正であるかどうかの判断がな
されます。
 上記預金残高における被相続人、相続人の持ち金のそれぞれの申告所得とのバランス、
 生前3年間における被相続人から相続人等への贈与等とみられる預金の移動がある場合には、
さらに他の銀行等金融機関への調査範囲を広げてゆく予備調査へと進みます。
 このように更に詳しく資料収集を行ったことで、実地調査を行うまでもないと判定されるこ
とや申告洩れが少ないため事後的に対応すべき事案に判定されることもあります。
 実地調査が必要である事案と判断されると、相続人の自宅に赴き税務調査が行われます。

 <税務調査が行われる時期>
 相続税の税務調査が行われるのは、通常、相続税の申告期限から1~2年後くらいです。
 今頃ですと、平成24年中相続開始くらいですか!
 相続税の税務調査が行われるのは相続税の申告件数の23~24%程度、そのうち申告洩れ
などが指摘されるのは80%を超えています。
 これらの数値から読み取れることは、確実な予備調査がなされいるということで、実地調査
は最後に修正申告を勧奨するための確認のためであるということです。
 相続人の自宅に赴く税務調査は、9月から11月にかけて行われることが多くなります。

 <税務調査の内容>
1.調査を受ける場合の注意事項
 被相続人が亡くなってから、又、相続税の申告を済ませてからでも相当期間が経過している
ので覚えていないことも多く、調査官の誘導により本心と違うことを喋ってしまうこともあり
ます。相続人等が応対するのですが、高齢となられている場合もあり、緊張しすぎて体調を壊
してしまうこともあるので注意が必要です。
 1)標準で、2名の調査官が1日5時間ほどで2日間に渡り調査
 2)昼食は不要です
 3)感情的にならず、質問されたこと以外は話さないようにしてください
  (ぼろを出さないように)

2.税務調査に来る理由
 1)基本的に税務調査に来る場合は、税務署は申告洩れ分を把握して来ます。
 2)申告洩れ分を把握していなくても、被相続人の生前の収入・所得状況に比べ申告財産額
   が少ない場合、さらなる隠し財産の手がかり及び理由を把握しに来ます。

3.税務調査官が見るポイント
 ・ 調査官の人は何気ない話の中から鋭く観察しています。
 ・ 話の一言一言にも注意をしお話をしたほうがよいです。
 ・ 見る聞くの内容は次のようになります。
 1) ヒアリング調査
  亡くなった人(被相続人)について
  ① 被相続人の死亡原因
  ② 入院期間・入院先
  ③ 医療費の額及びその支払方法
  ④ 出生地・実家・趣味
  ⑤ 過去の勤務先および退職時の役職
  ⑥ 持ち家がある場合、その建築時期・建築資金
  ⑦ 過去の他の相続よりの財産の取得関係
  ⑧ 贈与関係確認 父母・息子等へ
  ⑨ 生前の旅行等
  奥さんについて
  ① 過去より現在の勤務状況・年収
  ② 過去の他の相続よりの財産の取得関係
  ③ 贈与関係の確認(答え方により諸刃の剣・時効との関係)
  ④ 実家の内容(持参金)
  ⑤ 生活費の確認
  ⑥ 保険料の支払い確認(郵便局現金払い等)
  ⑦ 貸金庫の有無・場所
  子について
  ① 過去より現在の勤務状況・年収
  ② 同居・別居
  ③ 学生であれば学費の額
  ④ 贈与関係の確認
 2) 見るポイント
  ① 収入及び生活費を把握し申告額との整合性確認
  ② 家族名義の預金が、その妻・子の収入(持参金・祖父母からの贈与)で蓄えられたも
    のかどうかの確認
  ③ 家族名義の預金が、贈与という意志で相手方に異動したものかどうかをさりげなくヒ
    アリングの中で確認している
  (贈与とは、双務契約で贈与者が「あげるよ!」、受贈者は「もらうよ!」という意思が
   あってはじめて、贈与契約成立です。)
  <調査官は、「過去に被相続人より贈与を受けた事実がありますか!」と、「贈与税の脱
   税をしたことはないですか!」と、暗に相続人より「その事実はない!」との言質をと
   るような言い方をしてきます。注意が必要です。>
 3) 貸金庫
   金地金・割引債等の銀行・証券会社等の反面調査で把握できないものの発見
 4) 預金通帳
   過去3年ほどの出入り分を、家族名義の分を含め把握
 5) 室内の視査
  ① カレンダー・タオル・年賀状等により申告されていない取引銀行・証券会社の財産の
    手がかりを探す
  ② 賞状・トロフィー等からゴルフ会員権の有無把握
 6) 金庫・押入・タンスの引出 申告洩れの有価証券等の手がかりを探す
 7) 香典帳
  ① 申告されていない取引銀行・証券会社の財産の手がかりを探す
  ② 過去の勤務先から常識額以上の香典をもらった場合、退職金扱い
 (注意点)貸金庫・室内・金庫・押入・タンスの引出等は、調査当日までに変に疑いをかけ
   られるものは整理しておいて下さい。

4.調査の終了
 1) 調査の期間
   調査の期間は特に定められていません。複雑で調査困難な場合又は折り合いのつかない
  ときには一カ月以上に及ぶこともざらにあります。
  (最近の調査は長引く傾向にあります。二カ月を超えてしまうこともあります。)
 2) 調査の終了
   調査を展開してほぼ、目途がついた場合には、顧問税理士及び相続人代表に対して調査
  結果と疑問点を提示します。
   指摘した疑問点に対する相続人等の回答をもとにして更に調査を行う場合もあります。
  調査官のタイプによっては、調査中から疑問点を顧問税理士に対して解明依頼をしておき
  スムーズな調査終了への布石をします。逆に、調査官からの指摘を放置しておきますと、
  調査日数が延びることにもなります。
   お互いに早期終結を目指すならば、協力姿勢が必要です。
 3) 修正申告
   調査結果の提示を受けて申告洩れ財産があった場合には、修正申告の対応をします。
  修正申告書の提出は、相続人全員の了解と押印が必要です。相続財産の一部の申告漏れの
  場合でも、その税額は相続人全員に跳ね返って影響します。
 4) 加算税・延滞税
   加算税・延滞税については必ずかかります。修正申告を提出するときに本税とその加算
  税を調査官からしっかりと聞いておく必要があります。

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TEL:075(811)7116
FAX:075(841)6431
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会計プロフェッショナルの税務事案奮闘記
木田 稔  監修
日本公認会計士協会京滋会 編著

租税実務を行う上で必須となる租税法(租税法判例)について、京都を舞台に日々生起する相談案件を、会計士たちが判例を基に解決していく小説仕立てでわかりやすく解説。