連結納税制度とグループ通算制度の比較表

連結納税制度(現行制度)グループ通算製度(新制度)
適用法人内国法人である親法人と,その親法人による完全支配関係にあるすべての子法人(外国法人等を除く)適用法人は,青色申告の承認を前提とする点を除き,基本的に連結納税制度と同様とする。
納税主体・親法人が納税義務者として法人税の申告を行う。
・各子法人に連帯納付責任がある。
・親法人及び各子法人が法人税の申告を行う。
・親法人及び各子法人には,通算グループ内の他の法人の法人税について連帯納付責任がある。
申告方法一体申告方式個別申告方式
事業年度税務上の事業年度は,親法人の事業年度に統一する。・税務上の事業年度は,連結納税制度と同様に,親法人の事業年度に合わせた事業年度とする。
・開始,加入,離脱,のみなし事業年度について,次の見直しを行うほかは,連結納税制度と同様とする。
①事業年度の途中で完全支配関係を有することとなった場合の加入時期の特例について,翌会計期間の開始日に加入したものとしてみなし事業年度を設定できる措置を加える。
②離脱法人の離脱日に開始する事業年度終了の日を親法人の事業年度終了の日とする措置を廃止する。
損益通算及び欠損金の通算可能(合算計算)可能(プロラタ計算)
開始・加入に伴う時価評価と繰越欠損金の切り捨て・親法人では時価評価は行われず,開始前の繰越欠損金は切り捨てられない。
・子法人は特定連結子法人に該当する場合を除いて,時価評価が必要となり,開始・加入前の繰越欠損金が切り捨てられる。
・開始・加入に伴う時価評価と繰越欠損金の取り扱いについて,組織再編税制と同様の要件と利用制限を課す取り扱いとする(時価評価・繰越欠損金の切り捨ての対象は縮小する)。
・親法人も制限対象とする(但し,限定的)。
SRLYルール子法人の開始・加入前の繰越欠損金(特定連結欠損金)にはSRLYルールが適用されるが,親法人の開始前の繰越欠損金(非特定連結欠損金)にはSRLYルールが適用されない。親法人及び子法人の開始・加入前の繰越欠損金(特定欠損金)にSRLYルールを適用する。
※SRLYルールとは,制度に持ち込んだ開始・加入前の繰越欠損金を自己の所得を限度にしか使用させない措置をいう。
投資簿価修正適用。適用。
但し,次の制度に改組する。
①通算グループ内の子法人の株式の評価損益及び通算グループ内の他の法人に対する譲渡損益を計上しない。
②通算グループからの離脱法人の株式の離脱直前の帳簿価格を離脱法人の簿価純資産価格に相当する金額とする。
③グループ通算制度の開始・加入をする子法人で親法人との間に完全支配関係の継続が見込まれないものの株式について,株主において時価評価により評価損益を計上する。
(注)開始・加入後損益通算をせずに2か月以内に通算グループから離脱する法人については,上記①から③までを適用しない。
離脱・離脱法人は,5年間再加入を認めない。
・離脱法人はその資産を帳簿価額のまま持ち出すことができる。
・連結納税制度と同様に,通算グループから離脱した法人は,5年間再加入を認めない。
・通算グループから離脱した法人が主要な事業を継続することが見込まれていない場合等には,その有する資産については,直前業年度において,時価評価により評価損益の計上を行う。
個別制度受取配当金の益金不算入,寄付金の損金不算入,外国税額控除及び研究開発税制所得税額控除,留保金課税等はグループ調整計算を行う。・外国税額控除及び研究開発税制については,グループ全体で税額控除額を計算する(グループ調整計算を存続する)。
・受取配当金の益金不算入はグループ調整計算となるが,計算方法は簡素化される。
・寄附金の損金不算入,所得税額控除,留保金課税などほかの個別制度については,個別計算を原則とする。
中小法人の判定親法人の資本金の額により連結グループ内の全ての法人の判定を行う。通算グループ内のいずれかの法人が中小法人に該当しない場合,通算グループ内の全ての法人が中小法人に該当しないこととする。
税率親法人の適用税率による。中小法人の軽減税率の適用対象は連結所得金額のうち年800万円までとする。通算グループ内の各法人の適用税率による。なお,中小法人の軽減税率の適用対象所得金額は,年800万円を所得法人の所得の金額の比で配分した金額とする。
電子申告・親法人が資本金1億円超の場合,連結グループを一体として法人税の電子申告義務を課す。
・電子申告の場合,親法人が個別帰属額届出書を一括提出することができる。
・グループ通算制度の適用法人には法人税の電子申告義務を課す。
・親法人の電子署名により子法人の申告及び申請,届出等を行うことができることとするほか,ダイレクト納付についても所要の措置を講ずる。
地方税・単体申告となる。
・住民税独自の繰越欠損金が生じる。
現行の基本的な枠組みを維持しつつ,国税の見直しに併せて,企業グループ内の法人の損益通算の影響が及ばないようにする等の所要の措置を講じる。
包括的租税回避防止規定包括的な租税回避防止規定(法法132の3)がある。連結納税制度と同様に,包括的な租税回避防止規定(法法132の3)を設ける。
修正・更正の取り扱い(税務調査)グループ内の1法人で修正・更正が生じた場合,企業グループ内の他の法人の所得金額及び法人税額の計算に反映させる仕組み。修正・更正が生じた場合,原則として,損益通算できる損失等の額を当初申告額に固定することにより,通算グループ内の他の法人の所得金額及び法人税額の計算に反映させない(遮断する)仕組みとする。

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会計プロフェッショナルの税務事案奮闘記
木田 稔  監修
日本公認会計士協会京滋会 編著

租税実務を行う上で必須となる租税法(租税法判例)について、京都を舞台に日々生起する相談案件を、会計士たちが判例を基に解決していく小説仕立てでわかりやすく解説。