連帯保証と物上保証との違い
物上保証人とは、「担保提供者」のこと。
他人(特に親族間で)の借金のために自分の土地等の不動産を担保に提供する
ことはよくある話ですが、この担保提供者のことを物上保証人と言います。
物上保証人は、自分の財産に担保を設定したにすぎず債務の弁済の義務を
負った訳ではないのです。しかし、債務者(借金した人)が弁済できなければ
抵当権が実行され、この担保提供した資産は失われることになります。
この場合、物上保証人(担保提供者)は
1.抵当権の実行を受入れ不動産を諦める。(競売又は任意売却の選択)
2.債務者の代りに自らが不動産の価値範囲内の金額を弁済して抵当権を消滅
させるの2つの選択しかありません。
言い換えれば、物上保証人は提供した不動産価値の範囲内で責任を負った
有限責任ということなのです。担保として提供した財産を失うことがあって
も、それ以上の責任を負うことがないのです。
例えば、借金総額が4000万円、担保不動産の価値が3000万円であっても、
不動産をとられて、さらに足りない分の1,000万円支払えというわけではなく、
不動産をとられてお終いです。
ところが連帯保証人の場合は、弁済義務を負っているので、不動産をとら
れた上に更に残債 1,000万円を支払わなければならない。ある意味で無限責
任であるのです。また債務者と連帯保証人は同列ですから抵当権者はどちら
にも弁済を迫ることができるのです。
ここが物上保証人(有限責任)と連帯保証人(無限責任)との大きな違い!