所得税 平成23年分以後の改正

次の改正は、平成23年分以後の所得税について適用されています。
1 更正の請求の範囲の拡大(所得税関係)
(1) 当初申告要件の見直し
イ 純損失・雑損失の繰越控除
 純損失・雑損失の繰越控除について、損失が生じた年分の確定申告書を期限内に提出してい
ることが要件とされていましたが、確定申告書を提出し、かつ、その後において連続して確定
申告書を提出している場合について適用を受けることができることとされました。
ロ 変動所得及び臨時所得の平均課税等
 変動所得及び臨時所得の平均課税について、確定申告書、修正申告書又は更正請求書にこの
適用を受ける旨の記載があり、かつ、当該所得の計算に関する明細を記載した書類の添付があ
る場合について適用を受けることができることとされました。
 給与所得者の特定支出の控除の特例、資産の譲渡代金が回収不能となった場合等の所得計算
の特例及び資産に係る控除対象外消費税額等の必要経費算入の特例についても同様の改正が行
われました。
ハ 外国税額控除
 外国税額控除について、確定申告書、修正申告書又は更正請求書に適用金額を記載した書類
の添付がある場合等について適用を受けることができることとされました。また、適用を受け
ることができる金額は、当該書類に記載された金額を限度とすることとされました。

(2) 控除額の制限の見直し
イ 青色申告特別控除及び電子証明書等特別控除について、
 当初申告の確定申告書に記載した金額を適用上限とする措置が廃止されました。
ロ 次の事業所得等に係る所得税額の特別控除額の適用について、
 確定申告書、修正申告書又は更正請求書に適用金額を記載した書類の添付がある場合に適用
を受けることができることとされました。また、適用を受ける控除等の金額について確定申告
書に記載された金額を限度とする控除額の制限が見直され、確定申告書に添付する当該書類等
に記載された金額を基礎として計算した金額を限度とすることとされました。
 ① 試験研究を行った場合の所得税額の特別控除
 ② 試験研究を行った場合の所得税額の特別控除の特例
 ③ エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の所得税額の特別控除
 ④ 中小企業者が機械等を取得した場合の所得税額の特別控除
 ⑤ 沖縄の特定中小企業者が経営革新設備等を取得した場合の所得税額の特別控除
 ⑥ 雇用者の数が増加した場合の所得税額の特別控除
 ⑦ 所得税の額から控除される特別控除額の特例

2 災害関連支出等の改正
(1) 被災事業用資産の損失の金額に含まれるその災害に関連するやむを得ない支出について、
 大規模な災害の場合その他やむを得ない事情がある場合には、災害のやんだ日から1年超3
年内に支出する費用を追加することとされました。
(2) 雑損控除の損失の金額に含まれる災害関連支出について、
 大規模な災害の場合その他やむを得ない事情がある場合には、災害のやんだ日から1年超3
年内に支出する費用を追加することとされました。

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