相続の語源、相続税の最初

相続の語源
相続の語源は、仏教の言葉から来ているようです。相続・・・・因果が連続して絶えないことを言う。転じて、跡目を継ぐこと。
ところで、日本の相続の考え方は江戸時代の「家督相続」から始まっています。江戸時代の武士の相続は、家名と家禄を継ぐことを意味しており、それは同時に、武士としての地位や藩の様々な公職に就くことでもあります。
相続は必ず、主君の許可を必要としました。そのため「家督被下」すなわち、家督を上から下さると言う形をとりました。相続するというのは、予め届けてある嫡子が原則であり、他の子が相続するというのはよほどのことがない限りありえませんでした。
相続には、父が隠居して子が相続する「家督相続」と父の死亡により子が相続する「跡式相続」があります。
まず、家督相続ですが、子の成長に合わせ、自分は隠居しなければなりません。元服する年齢は15歳が普通であり、隠居する年齢は50歳位が適当とされていました。武士は軍役を担うのが建前ですから、あまり高齢で現役と言うのは無理があります。
次に、跡式相続ですが、相続を願い出るときは「跡目書上げ」という願書を提出することになります。これには、被相続人の死亡日時、相続人の氏名・年齢、兄弟の名などを書きます。相続人がいれば問題ありませんが、もし、死んだ時点で実子がいない場合は御家断絶となることもあります。このようなことがないように実子がいない場合は養子を迎えるなどの手当てをいろいろ工夫しました。

相続税の最初
相続税は明治時代に、日露戦争の戦費調達のためにできた税金です。日露戦争が終わった現在でも相続税は残っていますし、日本で一番税率の高い税金と言われ、三代相続が続くと財産がなくなってしまうと言われています。
相続税の課税方式には、被相続人の遺産総額に応じて課税する「遺産課税方式」と、個々の相続人等が取得した遺産額に応じて課税する「遺産取得課税方式」があります。
我が国の相続税の課税方式は、明治38年の相続税法創設以来、遺産課税方式とされていましたが、昭和25年に遺産取得課税方式に改められ、昭和33年には税額の計算に遺産取得課税の建前を維持しつつ、各相続人等が相続等により取得した財産の合計を一旦法定相続分で分割したものと仮定して相続税の総額を算出し、それを実際の遺産の取得額に応じて按分するという計算の仕組み(法定相続分課税方式)が導入されました。

アメリカでの相続税
アメリカでは相続税は遺産税とよばれています。遺産取得税が、相続財産を法定相続人に分けその後で税金を払うのに対し、遺産税は、相続財産から税金を差し引き、残りを相続人で分けます。よって、遺産取得課税は法定相続人の数によって控除額が変わりますが、遺産税は人数に関係なく一定となります。
連邦遺産税の非課税枠(基礎控除)は、2002年には100万ドル、2004年には150万ドル、2006年には200万ドル、2009年には350万ドルと段階的に増額してきました。但し、この非課税枠を適用できるのは被相続人がアメリカ市民または居住外国人である場合に限ります。被相続人が非居住外国人の場合は6万ドルの非課税遺産枠が適用されます。但し、在米資産を持つ日本人の場合は、日米間の贈与税・相続税に関する租税条約により、アメリカ市民及び居住者の非課税枠が適用されます。
2010年については、一時期相続税が廃止されていましたが、2011年よりは、最高税率を35%、控除額500万ドルという条件で、相続制度の維持を行いました。なおこの措置は2012年までの時限措置で、2013年以降については、最高税率55%が適用されます。

お気軽に
お問い合わせください


TEL:075(811)7116
FAX:075(841)6431
mail_icon1

令和5年3月改訂
Q&A 会社税務事例300選
平居新司郎 監修
日本公認会計士協会京滋会 編著

会社税務の総合百科!
法人税を中心に消費税・源泉所得税ほか各種税目を取り上げ、事例Q&Aの形式で、会社で直面する税務の急所をわかりやすく解説。
会計・税務の実務家必携の書!
近年話題の通算制度、インボイス制度、電子帳簿保存法に対応した最新版!