1.制度の概要
NISA(非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置)とは
「Nippon Individual Savings Account」の略称で、英国の個人貯蓄口座(ISA)をモデルにした「日本版ISA」です。
本来は、株式や投資信託など金融商品への投資から得られる配当・分配金や売却益には約20%の税金がかかりますが、NISAは個人の資産運用を後押しするために作られた税制の優遇制度で、購入した株式や投資信託などの売却益や配当金が一定の範囲内で非課税となります。
令和5年までのNISAには3つの種類があり、どれか1つを選択
①一般NISA |
毎年120万円の非課税投資枠が設定され、上場株式・ETF・REITなど株式・投資信託等の配当・譲渡益が非課税対象で、非課税保有期間は5年間。 |
②つみたてNISA | 毎年40万円の非課税枠が設定され、長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託に投資が可能で、非課税保有期間は20年間。 投資期限は令和24年までとされています。 |
③ジュニアNISA | 未成年者を対象とした少額投資非課税制度で、2親等以内の親族が運用管理者となります。毎年80万円の非課税投資枠が設定され、株式・投資信託等の配当・譲渡益が非課税対象。 投資可能期間は今年で終了します。 |
2.新NISA 改正の内容(令和6年以降)
(1)「一般NISA→『成長投資枠』」と 「つみたてNISA→『つみたて投資枠』」の併用が可能に
現行では、上場株式の投資が可能な「一般NISA」と一定の投資信託を対象とする「つみたてNISA」の2種類から、どちらかを選択しなければなりません。
新NISAでは、一般NISAを「成長投資枠」に、つみたてNISAを「つみたて投資枠」に名称変更するとともに、両投資枠の併用が可能となりました。
(2)非課税保有期間を無期限・恒久的措置に
若年期から高齢期に至るまで継続的な資産形成を行えるよう非課税保有期間を無期限に、口座開設可能期間も期限を設けない恒久的措置となり、これまでのロールオーバーなどの面倒な手続きがなくなります。
(3)年間投資上限額が最大360万円に
現行の一般NISAが120万円、つみたてNISAが40万円となっている年間投資上限額について、成長投資枠は2倍の240万円に、つみたて投資枠は3倍の120万円とし、両枠を併用することにより最大で年間360万円までの投資が可能となります。
(4)生涯非課税限度額 最大1,800万円
新たに「一生涯の非課税限度額」が設けられ、非課税保有限度額が買付金額ベースで合計1,800万円に設定され、このうち成長投資枠は1,200万円までとされています。
(5)現行NISAの対応
現行NISA及びつみたてNISAについては、今月末で買付が終了となりますが、非課税口座内にある商品については、新しい制度における非課税限度額の枠外で、現行の取扱いが継続されます。
(6)ジュニアNISAの手続きの省略
ジュニアNISAも今年末で新規買付が終了します。
今年末までにジュニアNISAで投資した商品は、5年間の非課税期間終了後も、一定の手続きを経ることで18歳になるまでは非課税措置を受けられることとなっていますが、利用者利便を考慮してその手続きを省略できることとされました。
3.適用時期
令和6年1月1日から適用されます。