令和5年度 改正税法 一括贈与の非課税措置に節税抑制策

1.改正の内容

 「高齢世代から若年世代への資産移転を促し、教育や結婚・子育て世代を支援する」という政策目的の下、これらの資金援助に贈与税がかからない制度があります。
 この制度では、贈与された金銭を信託や専用口座で一定期間管理し、認められる資金使途(※)で支出した後の残高に贈与税が課税されます。
 富裕層の節税策の一つとして利用されることが多いことから、今回改正が行われました。

(1)相続発生時の取扱い

 制度利用中に贈与者が亡くなった場合、残額を相続財産に加えて相続税が加算されます。
 教育資金の一括贈与について、これまで受贈者が23歳未満の場合などは、残額を相続財産に加算する必要はなかったのですが、相続税の課税価格の合計額が5億円を超えるときは、受贈者の年齢等にかかわらず、残高を相続財産に加算することになりました。
 令和5年4月1日以後に取得する信託受益権等に係る相続税について適用されます。

(2)贈与税の取扱い

 「教育資金」「結婚・子育て資金」の両制度とも、一定の残高については、贈与税の「一般税率」が適用されることになりました(※下図参照)。
 令和5年4月1日以後に取得する信託受益権等に係る相続税について適用されます。

 

(3)適用期間の延長

  令和5年3月末までだった適用期間が延長されました。
   ・教育資金の一括贈与:令和8年3月31日まで
   ・結婚・子育て資金の一括贈与:令和7年3月31日まで

※ 資金の使途として認められる支出の例

教育資金の一括贈与
学校等に対する支出
 
入学金、授業料、保育料、施設設備費、試験料、学用品の購入費、修学旅行費、学校給食費
学校等以外に対する支出
 
学習塾やそろばん塾などの教育、水泳や野球などのスポーツ、習い事の月謝・施設使用料、
 業者に支払う教科書代や制服の購入費用で学校等が必要と認めた物

結婚・子育て資金の一括贈与
結婚に関係する支出(300万円が限度)
 挙式費用、衣装代等の婚礼費用、新居費用、転居費用
妊娠、出産、育児に関係する支出
 不妊治療・妊婦検診費用、分べん費等・産後ケア費用、この医療費、保育料

 

 

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