令和3年度税制改正 法人課税関係

1⃣ 賃上げ・投資促進税制、所得拡大促進税制

(1)賃上げ・投資促進税制

大企業の「賃上げ・投資促進税制」の賃金要件については、現行、「継続雇用者給与等支給額」等を用いて判定していますが、改正後は、「新規雇用者給与等支給額」等を用いて判定することになります。既に雇用している従業員らの給与等の増加のみでなく、新たに雇用する従業員らの給与等の増加も必要です。また、設備投資要件が廃止されることになっています。

●「賃上げ・投資促進税制」の改正後の適用要件等
【賃金要件】
 雇用者給与等支給額 > 比較雇用者給与等支給額
(新規雇用者給与等支給額ー新規雇用者比較給与等支給額)/新規雇用者比較給与等支給額 ≧ 2%

【設備投資要件】
 廃止

【税額控除限度額】
 控除対象新規雇用者給与等支給額 ✕ 税率控除率15%

【控除率の上乗せ】
(教育訓練費ー比較教育訓練費※)/比較教育訓練費 ≧ 20%
 ➡税額控除率を5%上乗せ(合計20%)
 ※前期の教育訓練費

【控除上限】
 法人税額の20%

(2)所得拡大促進税制

中小企業の「所得拡大促進税制」については、”継続雇用者(当期・前期の各月全てに給与等の支給を受けた一定の国内雇用者)の抽出”が不要となり、雇用者給与等支給額の比較雇用者給与等支給額に対する増加割合が1.5%以上で適用可能となります。

●「所得拡大促進税制」の改正後の適用要件等
【賃金要件】
(雇用者給与等支給額ー比較雇用者給与等支給額)/比較雇用者給与等支給額 ≧ 1.5%

【税額控除限度額】
(雇用者給与等支給額ー比較雇用者給与等支給額)✕税額控除率15%

【控除率の上乗せ】
「賃金要件」の増加割合が2.5%以上であり、かつ、次のいずれかを満たす場合
①(教育訓練費ー比較教育訓練費※)/比較教育訓練費 ≧ 10%
 ※前期の教育訓練費
②経営向上計画に記載された経営力向上が確実に行われたことを証明
 ➡税額控除率を10%上乗せ(合計25%)

【控除条件】
 法人税額の20%

2⃣ 大企業に係る税額控除制度の適用除外措置

適用期限が3年延長(令和6年3月31日まで)された上で、同措置の対象に、「カーボンニュートラルに向けた投資促進税制」と「デジタルトランスフォーメーション投資促進税制」が追加されます。
また、同措置の要件の一つである「継続雇用者給与等支給額>継続雇用者比較給与等支給額」の判定において、雇用調整助成金等を控除しないこととされます。
「賃上げ・投資促進税制」の適用要件の判定では、継続雇用者の抽出が不要となるものの、同措置との関係上、継続雇用者の抽出が必要となる場合もあります。

3⃣ 中小企業関連税制(所得拡大促進税制を除く)

(1)中小企業者等の軽減税率の特例

適用期限が2年延長されます(令和5年3月31日まで)。

(2)中小企業投資促進税制

適用期限が2年延長(令和5年3月31日まで)された上で、対象となる指定事業が追加等されます。

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会計プロフェッショナルの税務事案奮闘記
木田 稔  監修
日本公認会計士協会京滋会 編著

租税実務を行う上で必須となる租税法(租税法判例)について、京都を舞台に日々生起する相談案件を、会計士たちが判例を基に解決していく小説仕立てでわかりやすく解説。