小規模宅地等の特例改正 (平成26年1月1日以後相続分)
相続財産の中に被相続人(お亡くなりになった方)の事業や居住の用等のために相続開始
直前において使用していた宅地があり一定の要件を満たせば、相続財産の価格(課税価額)
を減額する特例(小規模宅地等の特例)があります。
例えば6千万円の居住用の土地をお持ちで一定の要件を満たすと相続税の計算上、
評価を80%減額し1,200万円の評価となります。
(対象がこの土地のみであれば240㎡まで、平成27年から330㎡までに拡大)
その他平成26年1月1日開始以後相続における小規模宅地等の特例の重要な改正点
① 二世帯住宅の適用要件緩和
自宅が2世帯住宅の場合で子が相続する場合、
以前は建物内部で互いに行き来できる構造でないと同居とみなされず、小規模宅地等の特
例対象外であったのですが(一定の場合を除く。)、平成26年からは構造にかかわらず対象
となります。
ただし、二世帯で親子が区分所有登記をしている場合、親の居住用部分のみが特例が適用
され子居住部分には適用対象外となります。
面積が親子同一の場合、先ほどの例であれば6千万円の土地が2,400万円の減額しか
受けられず3,600万円の評価となります。
(6千万円-6千万円×1/2×80%=3,600万円)
特例の適用を最大限受けようとするのであれば共有登記が有利となります。
※ 区分所有:ひとつの財産が複数に区分されていてそれぞれが独立している状態
※ 共有:ひとつの財産を複数の人が共同保有している状態
また、二世帯で住んでいた子供世帯が転勤となり家族で転居しその後親が亡くなった場合は
同居とはみなされず適用対象外となります。
子が家族を残して単身赴任していれば子の家族のいる自宅は二世帯住宅となり適用対象と
なる(ただし転勤という特殊事情が解消すれば自宅に戻って家族と同居する等の要件が必要)
ので特例検討の際はご注意下さい。
② 老人ホームに入所した場合の適用要件の緩和
老人ホームに入所したことで被相続人(お亡くなりになった方)が住まなくなった自宅の
敷地は本来は相続開始直前において被相続人が住んでいないため特例の対象外でしたが、
改正で次の要件を満たす場合住んでいたものとして特例の適用を受ける事ができるようにな
りました。
ア) 介護が必要であるため入所したものである事
イ) 自宅を貸付の用に供していない事
※ 終身利用権を使用しても適用可能
こちらも要件が緩和したのですがイ)の貸付の用に供してしまうと居住要件を満たさず適用
対象外となるためご注意下さい。