相続税の申告は、自分で出来るか?

 相続税の申告は、税額計算の基礎となる相続財産の評価が複雑であり、特に土地の評価
については、地形や場所その他の条件によって評価方法が異なるので専門的な知識が必要
です。又、税理士によってさえ個別評価について考え方の違い等で評価額が変わってくる
こともあります。申告すべき項目、内容を網羅的に書面に落とす作業というのは、なかな
か大変です。また、相続税の申告書は第1表~第15表から必要な表を記入して作成する
ため、多数の特例や特例の適用を受けるための必要書類の提出、必要条件などがあり、特
例の適用の有無によって税額が大きく異なることもあるので、税理士以外の方が作成した
申告書で申告された場合には、本来よりも多く税金を納めてしまうこともありえます。
 さらに、税務調査では税額が増加する部分のみを徹底的に調べられます。仮に、税務署
が特例の適用を受けられることに気付き、特例の適用を受ければ税額が少なくなるとして
も、当初申告時でないと選択できないこともあるので、教えてくれることはありません。

 一般常識の感覚と税務署のみる感覚とが異なることがあります。家のお金、名義預金、
生前贈与については感覚の違いがあります。
 家のお金というのは税務上ないです。夫か妻か誰か特定の人のものです。
 名義預金というのは、贈与したつもりの預金ですが、受贈者がその預金の存在を知らな
かった場合、通帳を贈与者が持ったままになっている場合には、贈与の事実がなかったも
のとされ被相続人の相続財産と認定されるというものです。
 税務調査で問題になるなら当初申告の時点で、解決しておくほうが良いです。
 さらに相続税は他の税金と比較すると税務調査の確立が非常に高いです。また、申告書
の税理士署名欄に作成税理士の署名がない場合には、税務署側としては、計算ミスや申告
漏れがあると考え、信頼性の低い申告書と判断され、その結果税務調査が厳しくなってし
まう可能性もあります。
 安心して任せられる税理士に申告書を作成してもらうほうが良いのではないでしょうか。

 そこで重要になってくるのが申告書の作成を依頼する税理士選びです。税理士のほとん
どが、法人税や所得税の申告を主としているため、相続税の申告をほとんどしていない税
理士も少なくありません。そのため、相続税の申告は税理士の選択も重要なポイントとな
ります。
 税理士選びのポイントとしては、第一に申告実績がどのくらいあるのかです。
又、広大地の評価、農地等の納税猶予、特殊の評価等を経験しているかということです。
 第二に税理士の報酬です。税理士報酬は自由化されており、税理士報酬は税理士事務所
によって大きく異なります。
 税理士選びで税理士報酬に重点を置く方もいらっしゃいますが、実績と税理士報酬との
バランスを考慮しましょう。
 最後に、相続税の申告を依頼する税理士には、財産のすべてを開示するため、信頼でき
る税理士を選ぶ必要があります。このため、一度税理士事務所に出向き、相談という形で
話を聞いてみるといいでしょう。その結果で決めるということでいいでしょう。

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会計プロフェッショナルの税務事案奮闘記
深井和巳 監修
日本公認会計士協会京滋会 編著

租税法判例について、日々生起する相談案件を、京都で開業する公認会計士事務所で働く会計士により、判例中心で読み解くストーリー仕立てで構成。